受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

「受発注業務とは、そもそも何をやればいい?」
「受発注業務を効率化するにはどうすればいい?」
このような疑問はありませんか?

企業間取引が複雑化するなか、スムーズな受発注業務は、ビジネスの成功に直結します。

受発注トラブルによる機会損失や信用低下を避けるためにも、受発注業務の基本を理解し、業務改善・効率化に取り組むことが大切です。

この記事では、受発注業務の流れを解説したうえで、起こりやすい問題点や注意点などを説明します。

受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

最後までお読みいただくと、受発注業務の全体像が把握でき、業務の質を高めるための実践的なノウハウが身につきます。

受発注の基礎知識から効率化のコツまで、受発注業務の改善にお役立てください。

目次

1. 受発注業務とは?基本の知識

受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

受発注業務は、ビジネス取引の根幹をなす重要な業務です。

まずは、受発注業務の基本的な意味を理解するところから始めましょう。以下のポイントを解説します。

  1. 受発注業務の意味
  2. 受注業務とは?
  3. 発注業務とは?
  4. 受発注業務はビジネスの生命線

1-1. 受発注業務の意味

受発注業務とは、企業が事業活動を行ううえで必要となる原材料や製品などを調達したり、顧客からの注文に応じて製品を販売したりする、一連の業務プロセスを指します。

受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

これらの受発注業務の目的を一言でいうなら、「需要と供給を効率的に結び付ける」ことです。

受注業務では、顧客の要求に応じた製品・サービスを期日までに提供し、発注業務では、適切なサプライヤーから必要な資材・製品を調達します。

1-2. 受注業務とは?

続いて、もう少し掘り下げて、受注業務と発注業務を分けて見てみましょう。企業によって詳細は異なるものの、一般的な業務内容を解説します。

まず「受注業務」とは、顧客からの注文に関連して行う業務を指します。

具体的には、顧客からの問い合わせに対応したり、見積書を作成して提案したりする営業活動から始まります。その後、注文内容を確認し、社内の関連部署と連携して、確実に納品できる体制を整える一連のプロセスが含まれます。

受注業務の例

問い合わせ対応:顧客からの問い合わせに対して、商品の詳細な情報を提供します。商品の特徴や利点、価格、納期などを説明し、顧客の疑問や不安を解消します。

見積書作成:顧客のニーズに合わせて見積書を作成し、提案します。顧客の予算や要望を踏まえ、最適な商品選定や価格設定を行います。

在庫確認と発注:注文を受けた商品について、社内在庫を確認し、必要に応じて仕入れ先に発注します。在庫管理を通じて適正な在庫量を維持することが効率的な受注業務につながります。

納期管理:顧客に約束した納期を確実に守るため、生産スケジュールや物流の手配など、納期管理を徹底します。納期遅延のリスクを早期に察知し、対策を講じることが重要です。

顧客対応:注文内容の確認や、納期のアナウンスなど、受注後も顧客とのコミュニケーションを密に取ります。顧客の要望や問い合わせに丁寧に対応し、信頼関係を構築することが、リピート注文や追加注文につながります。

このように、受注業務は、顧客満足度を高め、リピート注文や追加注文につなげるための重要な役割を担っています。

1-3. 発注業務とは?

一方、「発注業務」とは、必要な製品やサービスを外部に注文することを指します。

具体的には、自社の事業に必要な原材料や設備、サービスなどについて、仕入先を選定し、見積りを取得したうえで、発注書を送付し、納品物を受け取るまでの一連のプロセスが含まれます。

発注業務の例

仕入先選定:複数の仕入先から見積書を取り寄せ、価格や品質、納期などを比較検討します。自社の要求条件に最も合致する仕入先を選定することが重要です。

発注量の算出:需要予測に基づき、適正な発注量を算出します。過剰在庫や欠品を防ぐため、販売動向や生産計画を考慮しながら、最適な発注量を決定します。

発注書の作成:社内の承認フローに従って、発注書を作成して承認を受け、発注先へ送付します。発注内容や納期、支払条件などを明確に記載し、トラブルを防止することが大切です。

納品・検収:納品された商品が注文通りかどうかを確認し、品質や数量に問題がないかをチェックします。不良品や不足分があれば、速やかに発注先に連絡します。

的確な発注業務は、高品質な商品やサービスを、適正価格で、必要なタイミングで調達することにつながります。

1-4. 受発注業務はビジネスの生命線

以上が受発注業務の概要です。

受発注業務は、販売と調達の両面から企業活動を支える重要な役割を果たしています。

受注業務は売上アップに直結し、発注業務はコスト管理に貢献します。取引先との信頼関係の構築や、ブランドイメージの向上にもつながるため、受発注業務の質は、会社の将来を決めるといっても過言ではありません。

だからこそ、スピーディかつ正確で、無駄のない受発注業務の実現は、あらゆる企業が目指すべき経営課題だといえるのです。

2. 受発注業務の流れ

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受発注業務は、一般的に、見積りから始まり、発注、在庫確認、納品、請求書発行までのプロセスで進められます。

ここでは、典型的なBtoBの受発注業務の流れを、以下で追ってみましょう。

  1. 見積り
  2. 発注書(注文書)
  3. 在庫確認
  4. 出荷・納品
  5. 請求書

2-1. 見積り

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受発注業務の第一歩は、通常、見積りから始まります。

発注側企業:発注側企業が仕様書を作成し、受注側企業に見積書の提出を依頼します。口頭のみで簡易的に行われることも多くあります。

受注側企業:受注側企業は、発注側の要求事項を確認し、価格や納期などの条件を検討したうえで、見積書を発注側に送付します。

ここでのポイントは、発注側企業は要求事項を明確に伝えること、受注側企業は相手方の要望に添って、できるだけ詳細で具体的な見積書を作成することです。

なお、同条件でのリピート注文の場合は、この見積りのプロセスは省略され、次の発注のフェーズから流れが始まります。

2-2. 発注書(注文書)

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見積書の内容を双方で確認し、合意に至れば発注となります。

発注側企業:正式な発注書(注文書)を作成し、受注側企業に送付します。発注書には、注文内容(商品名・型番・数量など)、納期、支払条件などを明記します。

受注側企業:発注書を受け取ったら、速やかに注文請けの確認をします。発注内容に不明点があれば、この段階で発注側に問い合わせをして、解決しておきましょう。

発注書は、法的効力を持つ重要な書類です。記載内容に間違いがないか、双方が念入りに確認する必要があります。

2-3. 在庫確認

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受注が確定したら、受注側企業は商品の在庫状況を確認します。現在庫で対応できる場合は、次の出荷準備のフェーズに進みます。

一方、在庫切れの場合は、仕入先への発注が必要です。在庫管理を徹底し、品切れ・欠品による納期遅延を防ぐことが、円滑な受発注業務のとなります。

2-4. 出荷・納品

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商品の準備が整ったら、受注側企業は商品を出荷します。

受注側企業:発注側企業の指定する納品先へ商品を出荷します。その際、納品書を同梱し、どのような商品が納品されたのかを明確にします。必要に応じて受領印の押印を発注側へ依頼することもあります。

発注側企業:出荷された注文品を荷受けしたら、検品・検収をします。商品の数量や品質に問題がないかチェックし、不備があれば速やかに受注側企業に連絡します。

受注側企業は、納期を厳守し適切な梱包で配送すること、発注側企業は納品されたら放置せず、かならず検品することが大切です。

2-5. 請求書

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商品の納品が完了したら、受注側企業は発注側企業に請求書を発行します。

受注側企業:発行する請求書には、納品した商品の詳細と、合計金額、支払い条件などを記載します。

発注側企業:請求書に記載された支払い条件に従って、代金を受注側企業に支払います。

ここで重要なのが、請求書の正確性です。請求書の金額や品目に間違いがあると、支払いが遅れる原因になります。受注側企業は、請求書発行前に、社内でしっかりとチェックする体制を整えましょう。

また、発注側企業も、請求書の内容を発注書や納品書と突き合わせて、間違いがないか確認することが大切です。

以上が、一般的な受発注業務の基本的な流れです。

受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

個別の企業や業界特性によって、プロセスに違いはあるものの、基本的な考え方は共通しているといえるでしょう。

3. 受発注業務で起きやすい4つの問題

受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

日常業務として行われている受発注業務ですが、実際の現場では、さまざまな問題が起きています。

受発注業務の改善を考える際は、どのような問題が潜んでいるのかを知ることが不可欠です。

ここでは、多くの企業が悩まされる4つの問題を取り上げます。

  1. 電話・FAX・メールなど対応が煩雑になっている
  2. 膨大な商品数による負荷が大きい
  3. 自作Excelなどで業務が属人化している
  4. 人為的ミスが生じている

3-1. 電話・FAX・メールなど対応が煩雑になっている

1つめの問題は「電話・FAX・メールなど対応が煩雑になっている」です。

業界や取引先によって、受発注業務のデジタル化の進み具合はさまざまです。
電話・FAX・メールなど、さまざまなチャネル(経路)での問い合わせ対応を受けざるを得ない企業も、まだまだ多いでしょう。
取引先からの電話に応対したかと思えば、FAXで注文書が届いたり、メールでの細かいやり取りもあれば、顧客が急に来訪して商談が行われることもあります。

このような状況下では、人手を介した非定型な業務プロセスが多岐にわたるため、現場は疲弊してしまいます。
業界の商慣習や取引先のITリテラシーを踏まえつつも、どうデジタル化していくか?が重要な課題といえます。

電話・FAX・メール中心の受発注に限界を感じている場合は、受発注システムの導入も選択肢になります。
具体的な改善方法は、後述の「5-1. 受発注システムを導入する」で解説します

3-2. 膨大な商品数による負荷が大きい

2つめの問題は「膨大な商品数による負荷が大きい」です。

メーカーや商社など、多数の商品を取り扱う企業では、受発注業務がより複雑になる傾向があります。
大量の商品情報を管理し、注文ごとに細かい商品手配を行う必要があります。仕入先も多岐にわたるため、発注業務も煩雑です。
品目が多い分、受発注のミスも起きやすく、トラブル発生のリスクは高くなります。

こうした課題への対応としては、効率性の高い受発注管理システムの構築を握ります(後ほど詳しく解説します)。

3-3. 自作Excelなどで業務が属人化している

3つめの問題は「自作Excelなどで業務が属人化している」です。

受発注管理の仕組みが確立されていない企業では、担当者が独自のExcelファイルなどを使って、受発注業務を行っているケースがよく見られます。
個人の裁量に基づく属人的な業務運用は、ミスを誘発するだけでなく、ノウハウの蓄積や引き継ぎも難しくなります。担当者の異動や退職の際には、業務の停滞を招く恐れもあります。

属人化を避け、組織的な受発注オペレーションを実現するには、標準化された業務フローと、それをサポートするシステム環境の整備が不可欠です。

一方で、受発注管理表を整備することで、短期的には業務を整理できるケースもあります。
Excelで管理する場合の項目例や作り方は「【お手本付き】エクセルで受発注管理を行う手順|管理表の項目例も解説」で詳しく紹介しています。

3-4. 人為的ミスが生じている

4つめの問題は「人為的ミスが生じている」です。

受発注業務は、人的要因によるエラーが起きやすい領域です。

【ミスの例】

  • 注文内容の聞き間違い:電話での注文受付の際、聞き手が注文内容を正しく理解できずに、誤った情報を記録してしまう。
  • 発注書への入力ミス:FAXなどの注文書をシステムに手入力する際に、商品コードや数量、納期などを誤って入力してしまう。
  • 在庫確認ミス:在庫がないにもかかわらず「在庫あり」と誤認して受注したり、逆に在庫があるのに受注キャンセルしたりしてしまう。
  • 請求書の発行漏れ:納品は完了したが、請求書の発行を失念し、代金回収が滞ってしまう。

受発注に関連するミスは、直接的な損失につながるだけでなく、信用の失墜をもたらし、取引関係の悪化を招く可能性があります。

4. 受発注業務を改善すべきタイミング

受発注業務は、日々の業務として当たり前に行われているため、問題があっても見過ごされやすい領域です。 

しかし、受発注業務の遅れやミスは、納期遅延、欠品、過剰在庫、請求漏れ、取引先からの信頼低下につながる可能性があります。次のような状態が見られる場合は、業務改善やシステム化を検討するタイミングです。 

4-1. 注文処理に時間がかかっている 

FAX、電話、メール、Excelなど、複数の方法で注文を受け付けていると、注文内容の確認や転記に時間がかかります。 
特に、商品点数が多い企業や、取引先ごとに価格・掛率・納品条件が異なる企業では、確認作業が増えやすくなります。 

注文処理に時間がかかっている場合は、受注情報を一元管理し、入力・確認・共有の手間を減らす仕組みが必要です。 

4-2. 在庫確認や納期回答が遅れている 

顧客からの問い合わせに対して、すぐに在庫状況や納期を回答できない場合、商談機会を逃す可能性があります。 
営業担当者が倉庫や商品管理部門に毎回確認している状態では、社内のやり取りも増え、回答スピードも遅くなります。 

在庫情報をリアルタイムに確認できる仕組みを整えることで、営業対応のスピード向上や確認業務の削減につながります。 

在庫確認や納期回答の遅れが頻発している場合は、受発注業務だけでなく在庫管理の仕組みも見直す必要があります。
在庫管理の自動化によるメリットは「在庫管理は自動化すべき!顧客満足度UPにつながるメリットや方法」で詳しく解説しています。

4-3. 担当者によって対応品質に差がある 

受発注業務が特定の担当者の経験や記憶に依存していると、担当者によって対応品質に差が出ます。 
「この取引先は特別価格」「この商品は納期に注意」「この注文は上長承認が必要」といった情報が個人に閉じている場合、引き継ぎや休暇時の対応にも支障が出ます。 

属人化を防ぐには、取引先情報、商品情報、価格条件、受注履歴などをチームで共有できる状態にすることが重要です。 

4-4. 取引先からの問い合わせが増えている 

「注文できているか確認したい」「前回と同じ商品を頼みたい」「納期を知りたい」といった問い合わせが多い場合、取引先側も不便を感じている可能性があります。 
注文履歴や納期状況を取引先自身が確認できる仕組みがあれば、問い合わせ対応の負担を減らしながら、取引先の利便性も高められます。 

受発注業務の改善は、自社の効率化だけでなく、取引先との関係性を強化する取り組みでもあります。

5. 受発注業務を改善する3つの方法

受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

それでは、受発注業務の改善に向けて、どのような取り組みが考えられるでしょうか。

ここでは、改善の3つの方向性を解説します。

  1. 受発注システムを導入する
  2. ダブルチェック体制を作る
  3. 既存の商品データの利活用で全体最適を図る

5-1. 受発注システムを導入する

1つめの方法は受発注システムを導入するです。
何よりもまず、受発注業務の専用システムの導入が強く推奨されます。

受発注システムとは、受発注業務をデジタル化し、自動化するためのソフトウェアやアプリケーションのことです。
見積書や発注書のやり取り、在庫管理、納品や請求までの一連の業務プロセスをシステム化すれば、業務の標準化と効率化を大きく前進できます。

自社の実態に即した最適なシステム選びが重要となりますが、受発注システムには、大きく3つの種類があります。

受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

・EDIシステム(推奨例:大企業との取引)
・BtoB受発注システム(推奨例:商社・メーカー)
・ECサイト(推奨例:BtoC・DtoC)

詳しくは以下の記事にて解説しています。

受発注システムの種類や導入手順を詳しく比較したい方は、「受発注システムとは?3つの種類とデメリットや導入手順まで解説」もあわせてご覧ください。

5-1-1. 受発注システム導入のポイント1:在庫の見える化

また、受発注システムを導入する際は、注文情報のデジタル化だけでなく、在庫情報をリアルタイムに確認できるかも重要なポイントです。 

受発注業務では、在庫確認が遅れると、見積り・受注・納期回答のスピードが落ちます。 
たとえば、営業担当者が顧客から「この商品は在庫がありますか?」と聞かれたとき、倉庫や管理部門に確認しなければ回答できない状態では、商談のタイミングを逃してしまう可能性があります。 

在庫情報をシステム上で見える化できると、次のような効果が期待できます。 

  • 営業スピードが上がる 
    最新の在庫状況をすぐに確認できれば、顧客からの問い合わせに対して、その場で回答しやすくなります。 
    「確認して折り返します」という対応が減ることで、見積りや受注までの流れを止めにくくなり、営業活動のスピード向上につながります。 
  • 社内の確認業務が減る 
    在庫情報が部署ごとに分散していると、営業、物流、商品管理などの間で、電話・メール・チャットによる確認が何度も発生します。 
    受発注システム上で在庫情報を一元管理できれば、関係者が同じ情報を確認できるようになり、確認作業や伝達ミスの削減につながります。 
  • 担当者に依存しない体制を作れる 
    在庫確認が特定の担当者の経験や記憶に頼っていると、その人が不在のときに業務が止まってしまいます。 
    在庫数や入出荷状況をシステムで共有できれば、誰でも同じ情報をもとに対応できるようになり、属人化の解消にもつながります。

    このように、受発注システムは単に注文をデジタル化するだけの仕組みではありません。 
    見積り、発注、在庫確認、納品、請求までの流れをつなげることで、受発注業務全体のスピードと正確性を高める役割があります。

    5-1-2. 受発注システム導入のポイント2:クラウド/オンプレミス比較

    受発注システムを選ぶ際は、機能だけでなく、クラウド型かオンプレミス型かも確認しておきましょう。 

    種類特徴向いているケース
    クラウド型インターネット経由で利用するタイプ。
    自社でサーバーを用意せずに始めやすく、保守やアップデートもサービス提供側が対応するケースが多い。
    初期費用を抑えたい、短期間で導入したい、社外や取引先とも情報共有したい企業
    オンプレミス型自社サーバーにシステムを構築して運用するタイプ。
    カスタマイズの自由度は高い一方、初期費用や保守・運用の負担が大きくなりやすい。
    独自要件が多い、既存の基幹システムと深く連携したい、社内に運用体制がある企業

    中小企業や、まずは一部業務から受発注業務を改善したい企業では、クラウド型のほうが導入しやすい場合があります。 
    一方で、業務フローが複雑で独自要件が多い場合は、オンプレミス型や個別開発を含めた検討が必要になることもあります。 

    大切なのは、単に多機能なシステムを選ぶことではなく、自社の業務量、取引先の使いやすさ、既存システムとの連携、運用負荷を踏まえて、無理なく使い続けられる仕組みを選ぶことです。

    5-2. ダブルチェック体制を作る

    2つめの方法はダブルチェック体制を作るです。

    受発注業務のミス防止には、ダブルチェック体制の構築も欠かせません。

    発注書の作成や、納品の確認など、重要な業務プロセスには、常に別の担当者がチェックに入る仕組みを整えましょう。

    【ダブルチェック体制の構築ステップ】

    • 重要業務の特定:受発注業務の中でも、とくにミスが起きやすく、影響が大きい業務プロセスを洗い出します。たとえば、発注書の作成、納品の検収、請求書の発行など、金銭や取引に直結する業務が該当します。
    • チェック項目の標準化:特定した重要業務について、確認すべき項目を網羅したチェックリストを作成します。漏れや抜けがないよう、業務フローに沿って、詳細な着眼点を洗い出しましょう。
    • 担当者の設定:各プロセスに、チェック担当者を割り当てます。役割と責任を明確にし、確実なダブルチェックを実現します。
    • 徹底と改善:担当者は、確認作業を適切に遂行できるようトレーニングします。全体の運用状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて体制や手順を見直して、継続的な改善を図ります。
    • 効果の評価:ダブルチェック体制の導入効果を定量的に評価します。ミスの発生件数や業務効率の改善度合いなどの指標を設定し、定期的に測定・分析して、取り組みの成果を可視化します。

    受発注業務は、取引先との重要なインターフェースであり、ミスは企業の信用を大きく損ねかねません。複数の目による確認作業が、トラブルの芽を早期に摘むことにつながります。

    5-3. 既存の商品データの利活用で全体最適を図る

    3つめの方法は既存の商品データの利活用で全体最適を図るです。
    受発注業務の合理化を考えるうえでは、自社が保有する商品データの有効活用も見逃せません。

    商品データ活用のポイント

    • 商品マスターの整備:商品マスター(商品に関する基本情報を集約したデータベース)に、必要なデータが漏れなく登録されている状態を常に維持します。
    • 正確な商品情報の提供:顧客に対して、最新の正確な商品情報を常に提供できるよう、商品情報をリアルタイムに一元管理します。
    • 需給バランスの可視化:販売データと在庫データを連携させ、需要と供給のバランスを可視化します。
    • 多角的な需要予測の実施:トレンド分析や季節要因など、さまざまな角度からデータを分析し、商品ごとの需要予測の精度を高めます。

    とくに、メーカーや商社など、商品数が膨大な企業においては、カタログ制作データの有効活用をご検討ください。

    受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

    カタログ制作データを二次活用し、商品情報の管理から提案書や見積書の作成まで一貫してサポートする、先進的なクラウドサービスとして「WONDERCART」があります。

    受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

    商品点数が多い企業や、取引先ごとに価格・掛率が異なる企業では、商品情報管理と受発注業務を別々に考えるのではなく、一体で管理できる仕組みを整えることが重要です。

    WONDERCARTでは、商品情報の管理、提案書・見積書の作成、受発注業務の効率化までを一元的に支援できます。
    詳しくは、WONDERCARTのサービスページをご確認ください。

    受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

    6. 受発注システムを選ぶときのチェックポイント

    受発注システムは、単に機能が多いものを選べばよいわけではありません。 
    重要なのは、自社の業務フロー、商品点数、取引先のITリテラシー、既存システムとの連携、運用体制に合っているかどうかです。 

    導入後に「現場が使いにくい」「取引先が使ってくれない」「結局Excel管理が残っている」とならないよう、以下のポイントを確認しましょう。 

    チェック項目確認すべき内容
    取引先が使いやすいかID登録、注文画面、再注文、履歴確認などが直感的に使えるか
    商品点数に対応できるか多品目、型番、規格、色・サイズ違いなどを管理できるか
    価格体系に対応できるか取引先別価格、掛率、数量別単価、キャンペーン価格などを設定できるか
    在庫情報と連携できるか在庫数、入荷予定、欠品情報を確認できるか
    見積り・請求と連携できるか見積書、注文書、納品書、請求書の流れを効率化できるか
    スモールスタートできるか一部商品、一部取引先、一部部署から導入できるか
    サポート体制があるか導入時の設定支援、運用後の問い合わせ対応があるか

    6-1. 取引先が使いやすいか 

    BtoB受発注システムでは、自社だけでなく取引先にも使ってもらう必要があります。 
    そのため、社内担当者にとって便利でも、取引先にとって操作が難しいシステムでは定着しません。 

    特に、FAXや電話での注文に慣れている取引先が多い場合は、画面のわかりやすさ、再注文のしやすさ、スマートフォンやタブレットでの使いやすさを確認しましょう。 

    取引先がシステムを使ってくれない原因や、定着させるための工夫については「『取引先が使ってくれない…』を防ぐ受発注システムの選び方と定着の工夫」でも詳しく解説しています。

    6-2. 商品点数・価格体系に対応できるか 

    メーカーや商社では、商品点数が多く、型番や規格も複雑になりがちです。 
    また、BtoB取引では、取引先ごとに価格や掛率が異なるケースもあります。 

    そのため、商品マスターを柔軟に管理できるか、取引先別の価格設定に対応できるかを確認することが重要です。 

    6-3. 在庫・見積り・請求と連携できるか 

    受発注業務は、注文を受け付けるだけで完結しません。 
    見積り、在庫確認、出荷、納品、請求までの流れがつながっているため、受注情報だけをデジタル化しても、周辺業務が手作業のままだと効果は限定的です。 

    可能であれば、在庫情報、見積書作成、納品書・請求書発行など、関連業務との連携も確認しましょう。 

    6-4. スモールスタートできるか 

    受発注システムの導入は、最初から全取引先・全商品を対象にする必要はありません。 
    まずは、注文頻度の高い定番商品、特定の取引先、特定部署などから始めることで、現場や取引先の負担を抑えながら導入できます。 

    小さく始めて運用課題を確認し、改善しながら対象範囲を広げることが、定着への近道です。 

    6-5. サポート体制があるか 

    受発注システムは、導入して終わりではありません。 
    商品データの登録、取引先アカウントの設定、運用ルールの整備、取引先への案内など、導入前後にはさまざまな作業が発生します。 

    システムの機能だけでなく、導入支援や運用後のサポート体制も確認しておきましょう。

    7. 受発注業務の改善に取り組むうえでの注意点

    受発注業務とは何か?基本の流れと業務改善・効率化の実践ガイド

    最後に、受発注業務の改善の取り組みを着実に進めていくための注意点を押さえておきましょう。

    1. 業界の商慣習に配慮する
    2. 現場の負荷が軽くなることを優先する
    3. できる範囲から少しずつでもDXを進める
    4. 取引先に定着させる4ステップ

    7-1. 業界の商慣習に配慮する

    1つめの注意点は業界の商慣習に配慮するです。

    受発注業務のやり方は、業界によって大きく異なるため、改善策を検討する際には、業界特性を十分に考慮することが重要です。

    たとえば、製造業では部品表(BOM)に基づく発注が主流ですが、アパレル業界ではシーズン単位の予約発注が一般的です。また、建設業界のように、多数の下請け業者を取りまとめる必要がある業界もあります。

    業界特性を踏まえた改善策の検討ステップ

    • 業界標準の確認:自社が属する業界において、一般的な受発注業務のやり方や商慣習をあらためて調べます。業界団体や同業他社の事例などを参考に、標準的なプロセスを理解しましょう。
    • 自社の立ち位置の明確化:業界内での自社の役割や強み、特殊性を再確認します。自社の業態やビジネスモデルに応じた、最適な受発注業務のあり方を見定めることが重要です。
    • 改善策の適合性検証:業界特性や自社の立ち位置を踏まえ、現実的で実現可能性の高い改善策を検討します。業界標準との整合性や、取引先の理解を得られるかどうかを慎重に吟味しましょう。
    • 取引先との調整:改善策の実施にあたって、取引先の理解と協力が必要なケースがあります。変更点やメリットを丁寧に説明し、円滑な移行に向けた調整を図ります。

    業界特有の商慣習を十分に考慮しつつ、自社に最適な改善策を見出すことが、受発注業務の効率化と高度化につながるでしょう。
    画一的な方法論にとらわれることなく、自社の実情に即した柔軟な発想が必要です。

    7-2. 現場の負荷が軽くなることを優先する

    2つめの注意点は現場の負荷が軽くなることを優先するです。
    受発注業務の改善においては、経営陣などの希望よりも、“実務を担う現場の声” に耳を傾けることが非常に重要です。

    新しいシステムの導入が、かえって現場の作業負荷を増大させてしまっては本末転倒です。

    現場の負荷軽減を優先するためのポイント

    • 現場の声に耳を傾ける:受発注業務の改善にあたっては、現場の担当者の意見や要望を丁寧にヒアリングします。彼ら彼女らが日々の業務で感じている課題や、本当に必要としている支援を的確に把握しましょう。
    • 業務知見の活用:現場の担当者は、受発注業務に関する豊富な知見を有しています。その知見を最大限に活用し、実践的な改善策を検討します。机上の空論ではなく、現場の実情に即した施策を目指しましょう。
    • 使いやすさの追求:新たなシステムやツールの導入にあたっては、現場の担当者にとっての使いやすさを重視します。直感的な操作性や、業務フローに沿った機能設計など、ユーザー目線でのインターフェース設計が鍵を握ります。

    現場の担当者が、真に業務の効率化や負荷軽減を実感できることを最優先に取り組むと、受発注業務の改善は成功しやすくなります。

    7-3. できる範囲から少しずつでもDXを進める

    3つめの注意点はできる範囲から少しずつでもDXを進めるです。
    受発注業務の改善は、一気にデジタル化を進めるのではなく、できる範囲から少しずつしていくのが得策です。

    全社的な業務改革には膨大な労力が必要となるため、一気に推し進めれば、現場の混乱や抵抗を招きかねません。

    段階的なDX推進のポイント

    • 部分的な導入:まずは、受発注業務の一部をデジタル化することから始めます。たとえば、見積書や発注書の電子化、在庫管理のシステム化など、現場の負荷が少なく、効果が見込める領域から着手します。
    • 小さな成功体験の積み重ね:部分的な導入で得られた成果を、社内で共有し、デジタル化のメリットを実感してもらうことが重要です。小さな成功体験を積み重ねるにつれ、DXへの理解と賛同が社内に浸透します。
    • 段階的な拡大:初期の取り組みで得られた知見をもとに、徐々にデジタル化の対象を拡大していきます。業務フロー全体を見渡し、優先順位をつけながら、着実に改善の裾野を広げていきましょう。

    7-4. 取引先に定着させる4ステップ

    受発注業務のDXでは、自社の現場だけでなく、取引先にもシステムを使ってもらう必要があります。 

    そのため、社内で導入を決めたからといって、いきなりすべての取引先に利用を求めると、かえって混乱を招くことがあります。 
    特に、これまでFAXや電話での注文に慣れている取引先にとっては、新しいシステムを使うこと自体が負担に感じられる場合もあります。 

    取引先にも無理なく使ってもらうためには、次の4ステップで進めるのが効果的です。 

    7-4-1. ステップ1:まずは試してもらう 

    最初から「今後はこのシステムで発注してください」と依頼するのではなく、まずは画面を見てもらったり、テスト注文を体験してもらったりすることから始めます。 
    実際に触れてもらうことで、「思ったより難しくない」「これなら使えそう」と感じてもらいやすくなります。 

    7-4-2.ステップ2:スモールスタートで慣れてもらう 

    すべての注文を一度にシステム化するのではなく、定番商品、特定の取引先、一部の注文だけなど、範囲を絞って始めるのがおすすめです。 
    小さく始めることで、取引先も社内担当者も運用に慣れやすくなり、トラブルが起きた場合も修正しやすくなります。 

    7-4-3.ステップ3:導入後もこまめにフォローする 

    導入直後は、ログイン方法、注文方法、注文履歴の見方など、細かい部分でつまずくことがあります。 
    簡単なマニュアルを用意したり、初回利用後にヒアリングしたり、必要に応じて電話や画面共有でサポートしたりすることで、不安を減らせます。 

    7-4-4.ステップ4:便利さを体感してもらう 

    システムの利用を定着させるには、取引先側にもメリットを感じてもらうことが重要です。 
    たとえば、過去の注文履歴を確認できる、いつもの商品をすぐに再注文できる、電話やFAXの手間が減るといった便利さを実感してもらえれば、継続的に使ってもらいやすくなります。 

    受発注業務のDXは、自社だけで完結する取り組みではありません。
    取引先の業務習慣やITリテラシーにも配慮しながら、少しずつ利用範囲を広げていくことが、定着への近道です。

    8. まとめ

    本記事では、「受発注業務とは何か」をテーマに、基本の流れ、よくある課題、改善方法、システム選定のポイントまで解説しました。

    受発注業務は、見積り、発注書、在庫確認、出荷・納品、請求までを含む、企業間取引の重要な業務プロセスです。
    対応が遅れたり、入力ミスが発生したりすると、納期遅延、欠品、請求漏れ、取引先からの信頼低下につながる可能性があります。

    受発注業務を見直す際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

    • どこで確認作業や転記作業が発生しているかを洗い出す
    • 在庫確認や納期回答に時間がかかっていないか確認する
    • Excelや個人管理に依存している業務を整理する
    • 取引先が無理なく使える運用方法を検討する
    • 小さく始めて、現場に定着してから範囲を広げる

      受発注業務の改善は、業務効率化だけでなく、営業スピードの向上、顧客満足度の向上、取引先との関係強化にもつながります。
      まずは自社の課題を整理し、できる範囲から段階的に改善を進めていきましょう。

      #受発注業務

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