
在庫管理で、「欠品が多い」「過剰在庫を減らせない」「棚卸しに時間がかかる」といった課題を感じていませんか。
在庫管理の改善といっても、課題によって見直すべきポイントは異なります。
欠品を減らしたい場合は在庫数や発注ルールの見直しが必要になり、棚卸しを効率化したい場合は確認作業や記録方法の改善が必要になります。
この記事では、在庫管理の改善事例を、過剰在庫・欠品・棚卸し・属人化などの課題別に紹介します。
| この記事でわかること |
|
「自社と似た課題では、どのような改善策がとられているのか」を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
なお、エクセルでの在庫管理方法や、業界別の詳しい改善方法については、以下の記事でも解説しています。 |
目次
1. 在庫管理の改善事例を課題別に確認

在庫管理の改善では、まず「何に困っているのか」を整理することが大切です。
欠品を減らしたいのか、過剰在庫を減らしたいのか、棚卸しの負担を軽くしたいのかによって、取り組むべき改善策は変わります。
以下では、よくある課題ごとに、改善の方向性と参考になる事例を整理します。
| 課題 | よくある状態 | 改善の方向性 | 該当する事例 |
| 欠品が発生する | 在庫数を正しく把握できず、必要な商品が不足する | 在庫情報の一元管理、発注点の設定 | 2-1、2-2、2-4 |
| 過剰在庫が多い | 売れ残りや滞留在庫が増え、保管コストがかかる | POSデータの活用、発注量の見直し | 2-3、2-4 |
| 発注漏れ・発注ミスがある | 担当者の経験や手作業に頼っている | 発注ルールの明確化、自動発注の活用 | 2-2、4-2 |
| 棚卸しに時間がかかる | 手作業で数えており、確認や集計に時間がかかる | QRコード、重量管理、RFIDの活用 | 3-1、3-2、3-3 |
| 商品の保管場所が分からない | 保管場所が分からず、確認作業に時間がかかる | ロケーション管理、 QRコード管理 | 4-3 |
| 複数倉庫の在庫が見えない | 倉庫ごとに確認が必要で、出荷判断に時間がかかる | 倉庫別の可視化、 WMSの活用 | 4-1 |
| 受発注と在庫更新が分断されている | 注文後に在庫確認や転記作業が発生する | 受発注と在庫情報の一元化 | 4-4 |
このように、在庫管理の改善は「システムを入れるかどうか」だけで考えるものではありません。
まずは、自社で起きている課題を分類し、どの業務を見直すべきかを明確にすることが重要です。
次章からは、欠品・過剰在庫・棚卸し・属人化などの課題別に、具体的な改善事例を紹介します。
2. 欠品・過剰在庫を減らした改善事例

欠品や過剰在庫は、在庫管理で起こりやすい代表的な課題です。
欠品が続くと販売機会の損失や顧客満足度の低下につながります。
一方で、過剰在庫が増えると、保管コストや不良在庫のリスクが高まります。
ここでは、在庫情報の一元管理、発注点の設定、販売データの活用などによって、欠品や過剰在庫を減らした改善事例を紹介します。
2-1. ECと店舗在庫を連携し、欠品を防いだ事例
項目 | 内容 |
業種 | オートバイ用品の企画・販売 |
課題 | 実店舗とECサイトの在庫情報がリアルタイムで連携していなかった |
改善策 | 在庫管理システムでECと店舗在庫を連携 |
成果 | 在庫がない商品を受注してしまうリスクを削減 |
出典 |
オートバイ用品の企画・販売を行う有限会社オフィスフォーエイトでは、実店舗とECサイトの在庫情報がリアルタイムで連携していないことが課題でした。
店頭で売り切れた商品がECサイト上では注文可能なままになってしまい、注文後に欠品対応が必要になるケースが発生していました。
同社は、在庫管理システム「ロジクラ」を導入し、ECサイトと実店舗の在庫を連携。
複数拠点の在庫状況を一元管理できるようにしました。

出典:ロジクラ
在庫の有無をリアルタイムで確認できるようになったことで、在庫がない商品を受注してしまうリスクを減らし、欠品対応の防止につながっています。
自社で活かせるポイント |
店舗、EC、倉庫など複数の販売・保管場所がある場合は、在庫情報を別々に管理しないことが重要です。 出典:ロジクラ |
2-2. 発注点管理で発注漏れを防いだ事例
清田の森歯科では、歯科治療に使う物品や販売用の歯ブラシなど、院内で使う備品の在庫管理に課題がありました。
以前は、スタッフが在庫管理や発注を担当していたため、本来の業務の負担になっていました。
発注漏れによる欠品も発生しており、必要な物品を安定して管理する仕組みが求められていました。
同院は、在庫管理システム「zaico」を導入。
発注点を下回った商品を確認して発注する運用に変更しました。
現場にいない家族でも在庫状況を確認できるようになり、スタッフが在庫管理に時間を取られにくくなりました。
欠品や発注漏れを抑えながら、歯科衛生士業務や事務業務に集中しやすい環境づくりにつながっています。
自社で活かせるポイント |
発注漏れを防ぐには、「少なくなったら発注する」ではなく、商品ごとに発注点を決めることが大切です。 出典:zaico |
2-3. POSデータを活用し、過剰発注と売れ残りロスを減らした事例
項目 | 内容 |
業種 | 食料品スーパーマーケット |
課題 | 発注が担当者任せになり、過剰発注や売れ残りロスが発生していた |
改善策 | POSレジを導入し、販売データと自動発注を連携 |
成果 | 発注に関わる人員を4名から2名に削減 |
出典 |
地域密着型の食料品スーパーマーケットを運営する協業組合アルタでは、売れ筋分析や発注業務に時間がかかっていました。
また、発注が担当者任せになっていたため、過剰発注や売れ残りが発生していたことも課題でした。
同組合は、POSレジを導入し、販売情報をリアルタイムで記録・集計できる体制を整えました。
さらに、POSデータと自動発注を連携することで、売れ筋分析に基づいた発注がしやすくなりました。
発注に関わる人員は4名から2名に削減され、POSデータを活用した売れ筋分析によって、過剰発注や売れ残りロスの削減にもつながっています。
自社で活かせるポイント |
過剰在庫を減らすには、在庫数だけでなく、「どの商品がどのくらい売れているか」を確認することが重要です。 |
2-4. 現場発注と在庫システムで必要量を発注できるようにした事例
自動車関連部品を扱う株式会社ユニバンスでは、生産管理部が在庫を管理していたものの、現場で必要な数量と実際の発注数にずれが生じることが課題でした。
需要の変動が大きい状況では、必要以上に在庫を抱えたり、反対に必要な材料が不足したりするリスクがあります。
同社は、製造現場の従業員が在庫管理システム「TS-BASE 受発注」を使い、必要な材料を必要な量だけ注文できる業務フローに変更しました。
約200種類の材料ごとの在庫数を確認できるようになり、発注点を下回った在庫もアラートで把握できるようになりました。
現場の判断とシステム上の在庫情報を組み合わせることで、必要な在庫を必要なタイミングで発注しやすくなりました。
自社で活かせるポイント |
現場と管理部門で在庫情報にずれがある場合は、発注判断を現場の感覚だけに頼らないことが大切です。 出典:TS-BASE 受発注 |
3. 棚卸し・確認作業を効率化した改善事例

棚卸しは、在庫管理の中でも時間と手間がかかりやすい業務です。
紙の台帳やエクセルで管理している場合、現物確認、数量の記入、データ入力、照合作業が発生します。
確認漏れや転記ミスがあると、再確認にも時間がかかります。
ここでは、QRコード、重量管理、RFIDなどを活用して、棚卸しや確認作業を効率化した事例を紹介します。
3-1. QRコード管理で棚卸時間を短縮した事例
項目 | 内容 |
業種 | 業務用アルコール測定器の製造・販売 |
課題 | 紙での棚卸しに時間がかかり、転記や読み取りエラーも発生していた |
改善策 | QRコードを活用した在庫管理へ切り替え |
成果 | 従来2日かかっていた棚卸しが1日で終わる見込みに |
出典 | zaico |
業務用アルコール測定器の製造販売を行う東海電子株式会社では、入出庫を紙で管理していました。
期末棚卸しでは、約1,200個の部品に棚卸原票を貼り、数量をカウントしたうえで記入・回収・OCR読み取り・集計を行なっていました。
読み取りエラーが出た場合は再チェックも必要になり、棚卸しに大きな時間がかかっていました。
同社は、在庫管理システム「zaico」を導入。
スマートフォンでQRコードを読み取り、入庫登録や在庫確認ができる運用に切り替えました。
部材のQRコードを読み取ることで、誤った部材を処理しようとした場合にも気づきやすくなります。
棚卸しのトライアルでは、3人で作業を進め、約3時間で全体の40%を完了。
従来2日かかっていた棚卸しが、1日で終わる見込みが立つまで効率化されました。
自社で活かせるポイント |
棚卸しに時間がかかる場合は、現物確認と記録の方法を見直すことが重要です。 出典:zaico |
3-2. 重量管理で棚卸作業を効率化した事例
土木製品・建築製品を製造する松阪興産株式会社では、材料や資材、付属品の棚卸しに時間がかかっていました。
従来は、在庫を一つひとつ手作業で量り、残数を計算し、棚卸伝票に記入していました。
数え間違いや計算の手間が発生しやすく、棚卸し作業が現場の負担になっていました。
同社は、重量で在庫を管理できる「スマートマットクラウド」を導入。
材料や資材をマットに載せるだけで在庫量を把握できるようにしました。

出典:スマートマットクラウド
半期ごとの棚卸しにかかる日数が1日近く削減され、月1回の棚卸作業も導入前より約30%削減されています。
自社で活かせるポイント |
ネジ、部品、原材料、液体、粉体など、数を一つずつ確認しにくい在庫は、重量で管理できる場合があります。 出典:スマートマットクラウド |
3-3. RFIDで確認作業を削減した事例
項目 | 内容 |
業種 | 調理パン・米飯などの製造・販売 |
課題 | 固定資産や設備機器の棚卸しに多くの時間がかかっていた |
改善策 | RFIDタグを活用した棚卸しへ変更 |
成果 | 550件の機器棚卸しが約70時間から約7時間に短縮 |
出典 | assetforce |
調理パンや米飯などの製造・販売を行う株式会社サンデリカでは、固定資産や設備機器の棚卸しに多くの時間をかけていました。
以前は、紙の台帳を使い、固定資産台帳と資産ラベルを目視で照合していました。
確認結果をエクセルへ手入力する必要もあり、転記ミスや台帳と現物の不一致が起こりやすい状態でした。
同社は、資産管理クラウドサービス「assetforce」を導入し、RFIDタグを活用した棚卸しへ変更しました。
RFIDタグは、対象物に付けたタグを無線で読み取る仕組みです。
目視で一つずつ確認する作業を減らせるため、台帳との照合を効率化しやすくなります。
出典:assetforce
RFIDタグの活用により、550件の機器を持つ拠点では、従来7日・約70時間かかっていた棚卸作業が約7時間に短縮されました。
棚卸し時間を10分の1に削減できた改善例です。
自社で活かせるポイント |
棚卸し対象が多い場合や、高い場所・広い工場内にある設備を確認する場合は、目視や紙台帳だけでは負担が大きくなります。 出典:assetforce |
4. 属人化・探す時間を減らした改善事例

在庫管理では、在庫数だけでなく「どこにあるか」「誰でも同じように確認できるか」も重要です。
保管場所が担当者の記憶に頼っていたり、倉庫ごとに管理方法が違っていたりすると、商品を探す時間や確認作業が増えます。
発注や出荷の判断も属人化しやすくなり、担当者が不在のときに業務が止まることもあります。
ここでは、複数倉庫の在庫可視化、自動発注、保管場所の見える化、受発注と在庫情報の一元化によって、業務効率化につながった事例を紹介します。
4-1. 複数倉庫の在庫を可視化し、出荷業務を効率化した事例
家具や家庭用品などを扱う株式会社三栄コーポレーションでは、複数の委託倉庫で在庫を管理していました。
家具はサイズが大きく、ベッドのマットレスやフレームなど、商品を構成するパーツが別々の倉庫に保管されることもあります。
そのため、注文を受けたあとに各倉庫へ在庫を確認し、出荷可否を判断する必要がありました。
同社は、クラウドWMS「ロジザードZERO」を導入し、複数倉庫の在庫状況や出荷指示をシステム上で管理できるようにしました。
出典:ロジザードZERO
倉庫ごとに在庫を確認していた作業が減り、出荷業務を進めやすくなりました。
月間平均30時間、繁忙期には60時間あった残業がほぼなくなり、月間5万個を超える出荷数にも対応できるようになりました。
全倉庫の在庫データが可視化されたことで、棚卸しや過剰在庫の判断もしやすくなっています。
自社で活かせるポイント |
複数倉庫で在庫を管理している場合は、倉庫ごとに在庫確認をする運用を見直すことが重要です。 出典:ロジザードZERO |
4-2. 自動発注で発注時間を削減した事例
なの花薬局札幌月寒店では、医薬品の発注業務にかかる時間を減らし、患者さんと向き合う時間を増やしたいという課題がありました。
医薬品は種類が多く、必要量を判断しながら発注するには手間がかかります。
欠品を防ぐ必要がある一方で、過剰に仕入れると在庫負担も大きくなるため、発注判断には慎重さが求められます。
同店は、調剤薬局向け在庫管理システム「LINCLE」を導入。
需要予測と自動発注機能を活用し、発注業務の効率化に取り組みました。
【発注時刻を決めて各発注先に発注できる】

出典:LINCLE
その結果、90%以上の医薬品を自動発注できるようになり、発注業務は1日5分ほどに短縮されました。
想定外の処方変更などを除き、欠品の発生を抑えられる運用にもつながっています。
自社で活かせるポイント |
発注業務が担当者の経験に依存している場合は、発注基準を見える化することが大切です。 出典:LINCLE |
4-3. 保管場所を見える化し、探す時間を削減した事例
セラミック製品を製造する三井金属鉱業株式会社では、製造に使う金型や道具類の保管場所が分かりにくいことが課題でした。
同社では、5,000以上の棚に2,000種以上の金型、400種以上の道具を保管していました。
必要な備品の場所をベテラン社員でも把握しきれず、1つの備品を探すのに30分ほどかかることもありました。
こうした備品探しが1日に20〜30回ほど発生しており、製造工程の停止や作業時間のロスにつながっていました。
同社は、在庫管理システム「zaico」を導入し、対象物品のQRコードを読み取り、保管場所を登録できるようにしました。
次に使う人は、スマートフォンで情報を確認するだけで、目的の備品がどこにあるかを把握できます。

出典:zaico
備品を探し回る時間が減ったことで製造作業が止まりにくくなり、3人分程度の作業時間削減につながっています。
自社で活かせるポイント |
保管場所が担当者の記憶に頼っている場合は、ロケーション情報を記録する仕組みを作ることが重要です。 出典:zaico |
4-4. 受発注と在庫情報をつなげ、確認作業を減らした事例
項目 | 内容 |
業種 | 書籍・雑誌・文具雑貨などの輸出事業 |
課題 | 在庫一覧エクセルを毎朝作成・送信しており、在庫切れ対応も発生していた |
改善策 | 顧客がリアルタイム在庫を確認してWeb注文できる仕組みに変更 |
成果 | エクセル入力、一斉送信、在庫切れ対応の作業を削減 |
出典 | TS-BASE 受発注 |
日販アイ・ピー・エス株式会社では、書籍・雑誌・文具雑貨などの輸出事業において、エクセルを使った在庫共有が課題になっていました。
以前は、基幹システムの在庫数を在庫一覧エクセルに転記し、毎朝顧客へ送信していました。
顧客はそのエクセルを見て注文しますが、複数の顧客から同じ商品に注文が入ると、在庫切れで断ることもありました。
そのたびに確認や連絡が発生し、受注管理の負担が大きくなっていました。
同社は、「TS-BASE 受発注」を導入し、顧客がリアルタイム在庫数を確認しながらWeb上で注文できる仕組みに変更しました。
毎朝のエクセル入力や一斉送信、在庫切れへの対応作業を削減でき、受注側・発注側の双方が在庫状況を確認しやすくなっています。
自社で活かせるポイント |
受発注と在庫情報が分断されていると、在庫確認や注文後の調整に時間がかかります。 出典:TS-BASE 受発注 |
5. 在庫管理の改善事例から学べる共通ポイント

ここまで紹介した事例を見ると、業界や扱う商品は異なっていても、在庫管理の改善には共通点があります。
在庫数を見える化する、発注ルールを決める、保管場所を分かりやすくするなど、まずは現場で起きている課題を整理し、改善しやすい部分から見直すことが大切です。
5-1. 在庫数を見える化する
欠品や過剰在庫を減らすには、まず現在の在庫数を正しく把握する必要があります。
店舗、EC、倉庫、拠点ごとに在庫情報が分かれていると、確認に時間がかかり、古い情報をもとに受注や発注をしてしまう可能性があります。
在庫情報を一元管理し、関係者が同じ情報を確認できる状態にすると、欠品や重複発注を防ぎやすくなります。
5-2. 発注ルールを明確にする
発注業務が担当者の経験や勘に頼っていると、発注漏れや過剰発注が起こりやすくなります。
発注点の設定、自動発注、需要予測、POSデータの活用などにより、発注基準を決めると取り組みやすいでしょう。
5-3. 保管場所を決めてロケーション管理する
在庫があっても、どこにあるか分からなければ、出荷や棚卸しに時間がかかります。
棚番号、倉庫名、エリア名、写真、QRコードなどを活用し、誰でも同じ情報をもとに探せる状態を作ることが大切です。
ロケーション管理を整えることで、探す時間を減らし、棚卸しや出荷作業も進めやすくなります。
ロケーション管理の例。棚・列・段をコード化しておくと、商品や備品の保管場所を共有しやすくなります。
5-4. 棚卸しを手作業だけに頼らない
棚卸しに時間がかかっている場合は、数える方法や記録方法を見直すことも有効です。
QRコード、バーコード、RFID、重量管理などを活用すると、現物確認や記録、照合作業の負担を減らしやすくなります。
まずは、数えにくい商品、棚卸しに時間がかかる商品、差異が出やすい商品から確認方法を見直すとよいでしょう。
5-5. 受発注・入出庫・在庫更新をつなげる
在庫管理の課題は、棚卸しや在庫表だけで解決できるとは限りません。
受注、発注、入庫、出庫、在庫更新が別々に管理されていると、転記ミスや更新漏れが起こりやすくなります。
受発注と在庫情報をつなげることで、注文時点の在庫確認や、入出庫後の在庫更新を進めやすくなります。
6. 在庫管理改善を進めるときの考え方

在庫管理の改善は、すべての課題を一度に解決しようとすると進めにくくなります。
まずは、欠品、過剰在庫、棚卸し時間、発注業務、探す時間などの中から、業務への影響が大きい課題を1つ選びましょう。
そのうえで、小さく改善策を試し、効果を確認しながら対象を広げていくことが大切です。
6-1. 影響が大きい課題を1つ選ぶ
最初に取り組む課題は、売上や現場負担への影響が大きいものから選びます。
たとえば、欠品による販売機会の損失が大きい場合は、売れ筋商品の在庫確認や発注基準の見直しから始めます。
棚卸しに時間がかかっている場合は、特に確認に時間がかかる商品や資材を絞り込みます。
「在庫管理全体を改善する」と考えるよりも、まずは対象を絞った方が、現場でも取り組みやすくなります。
6-2. 小さく試して、改善前後を比べる
改善策は、いきなり全商品・全拠点に広げるのではなく、一部の商品や業務から試すのがおすすめです。
たとえば、欠品が多い商品だけ発注点を設定する、棚卸しに時間がかかる資材だけQRコードを付ける、探す時間が長い備品だけ保管場所を登録する、といった始め方ができます。
改善後は、欠品回数、棚卸し時間、発注作業時間、探す時間などを確認し、効果が出ているかを見ます。
効果が見えた取り組みは、対象商品や拠点を少しずつ広げていくとよいでしょう。
6-3. 手作業で限界がある業務はシステム化を検討する
エクセルや紙で管理できる範囲であれば、まずは運用ルールの見直しから始めても問題ありません。
ただし、商品数や拠点数、担当者数が増えると、手作業だけでは更新漏れや確認ミスが起こりやすくなります。
受発注、入出庫、在庫更新が別々に管理されている場合も、転記や確認作業が増えやすくなります。
小さな改善を試しても課題が残る場合は、在庫管理システムや受発注システムの活用を検討しましょう。
システム化は目的ではなく、在庫数を正しく把握し、確認作業を減らすための手段として考えることが大切です。
改善の効果が見えると、現場にも取り組みの意義が伝わりやすくなります。
7. 受発注と在庫管理を一元化する選択肢

在庫管理の改善では、棚卸しや在庫表だけでなく、日々の受発注・入出庫・在庫更新の流れをあわせて見直すことが大切です。
特にBtoB取引では、電話・FAX・メール・エクセルなど複数の方法で注文を受けていると、受注後の転記や在庫確認に手間がかかりやすくなります。
注文情報と在庫情報が分かれている状態では、確認漏れや更新遅れも起こりやすくなります。
WONDERCARTは、BtoB受発注と在庫管理をオンラインで一元化できるサービスです。
注文情報、商品情報、取引先情報、在庫情報をつなげて管理することで、受発注業務や在庫確認の効率化を支援します。
実際に、株式会社ダイアログの「WMS導入と経営に関する実態調査」では、WMS導入後に経営上のメリットを感じている企業は70.9%でした。
具体的なメリットでは、「在庫管理の最適化とコスト削減(利益率向上)」が64.4%で最多となっています。
在庫管理の改善は、棚卸しや在庫確認の負担を減らすだけでなく、コスト削減や業務全体の効率化にもつながります。
出典:株式会社ダイアログ「WMS導入と経営に関する実態調査」
在庫管理の改善を進めるうえで、受発注業務や在庫更新の見直しも検討したい方は、以下の資料をご覧ください。
BtoB受発注や在庫管理の効率化を検討している方に向けて、WONDERCARTの機能や活用イメージをまとめた資料をご用意しています。
電話・FAX・メール・エクセルでの受発注管理に課題を感じている方や、在庫確認・転記作業・注文対応の負担を減らしたい方は、ぜひご活用ください。
8. まとめ
在庫管理の改善では、欠品・過剰在庫・棚卸しの負担・属人化など、自社で起きている課題に合わせて見直すポイントを決めることが大切です。
今回紹介した改善事例では、在庫情報の一元管理、発注点の設定、POSデータの活用、QRコード・RFID・重量管理、ロケーション管理など、課題に応じたさまざまな改善策が取られていました。
この記事のポイントは、以下のとおりです。
|
まずは、自社で最も負担が大きい課題を1つ選び、在庫数・発注ルール・保管場所・棚卸し方法のどこに改善余地があるかを確認してみましょう。
在庫管理の課題が、日々の受発注や在庫更新の分断から起きている場合は、業務フロー全体を見直すことも重要です。
本記事で紹介した改善事例が、自社の在庫管理を見直すきっかけになれば幸いです。
#在庫管理 #改善事例


コメント