ユーザー会とは?開催すべき4つの理由と実りあるユーザー会の事例

「製品が本当に顧客にとって良いものなのか確かめる方法として、ユーザー会が気になっている」
「製品セミナーなら何回か開催したことがあるけど、ユーザー会はそれとは何か違うのだろうか?」

ユーザー会に興味を持っている企業の中には、上記のような疑問を抱いている企業もあるかと思います。

ユーザー会は企業が提供している特定の製品やサービスを使っているユーザー同士や、企業とユーザーが交流できるイベントのことで、主にITツールやシステムを開発している企業が開催しています。

ユーザー会は以下のような理由から、積極的に開催すべきでしょう。

・既存の製品やサービスに関するフィードバックを収集しやすい
・新製品や新サービスの開発に役立つ潜在ニーズを知れる
・ユーザーが企業のファンになりやすい
・製品やサービスの導入を検討しているユーザーへの説得力が増す

ユーザー会は上記のように企業にとって開催するメリットが大きいだけでなく、自社製品を使っているユーザーにとってもメリットが大きいため、開催すれば双方にとってwin-winなイベントになるでしょう。

そのためには、実際に今まで開催されたユーザー会の成功事例や、実りあるユーザー会にするための秘訣などを押さえた上で、ユーザー中心のイベント設計をする必要があります。

そこでこの記事では、

・ユーザー会はどのような社内の課題を解決できるのか
・ユーザー会と製品セミナーの違い
・企業がユーザー会を開催すべき4つの理由
・ユーザー会の参加者側のメリット
・ユーザー会のデメリット
・実際に企業が開催したユーザー会の成功事例
・事例から分かるユーザー会を成功させるポイント3

について徹底的に解説していきます。

この記事を読めば、ユーザー会を開催することで得られる企業と参加者側それぞれのメリットが分かるだけでなく、実りあるユーザー会に導くためのポイントも分かります。

参加者にとって魅力的でない、単なるセールスの場となってしまうイベントではなく、「ユーザーにとって本当に価値あるイベントを開催したい」とお考えの方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。

1. ユーザー会とは

冒頭でもお伝えした通り、ユーザー会とは企業が提供している特定の製品やサービスを使っているユーザー同士や、企業とユーザーが交流できるイベントのことです。

ユーザーの悩みや課題を解決するだけでなく、企業の悩みや課題も解決できるため、近年、ITツールやシステムを開発している企業を中心に、開催している企業が増えています。

まずこの章では、

・ユーザー会はどのような社内の課題を解決するのに効果的なのか
・同じユーザー向けイベントの製品セミナーと比べてどんな点が優れているのか

について解説していきます。

1-1. ユーザー会は社内の課題を解決するために効果的

ユーザー会は、社内の課題を解決するための手段として効果的です。たとえばマーケティング部署やカスタマーサクセスチームの場合で考えてみましょう。

<マーケティング部署の場合>

・抱えている課題:社内で新製品の開発や現在提供しているサービスのアップデートをするにあたって、今まで提供してきたものより良いものを開発したいが、すでに世に出ている製品やサービスに似通ってしまう。

・ユーザー会を開催するとどうなるか:エンドユーザーである顧客に「どんなサービスを求めているか」「現在提供しているサービスは何が足りていないか、惜しいと思う部分はないか」などを効率的にヒアリングできるため、課題解決への糸口が見つかる可能性がある。

<カスタマーサクセスチームの場合>

・抱えている課題:顧客が機能を上手く使いこなせていないほか、効果的な使い方ができていないことで、製品やサービスを継続して使用してくれる顧客が少ない。

・ユーザー会を開催するとどうなるか顧客が機能を上手く使いこなせるよう直接レクチャーしたり、実際に製品やサービスを上手く活用して成功している顧客から情報を発信してもらえたりする

その結果、顧客が製品やサービスの効果的な使い方を理解し、継続的に製品やサービスを使ってくれる顧客が増える可能性がある。

このようにユーザー会は、社内の課題を解決するための手段として効果的と言えるでしょう。

1-2. ユーザー会は製品セミナーと異なりユーザー同士が情報交換できる

よく企業がユーザー向けに開催するイベントとして、製品セミナーなどがありますが、製品セミナーとユーザー会はそれぞれ異なるイベントです。

ユーザー会は製品セミナーと比べて、ユーザー同士の情報交換が盛んに行われます。ユーザー会は、企業側から発信するだけでなく、ユーザーから企業へ、ユーザーからユーザーへ発信できるため、コミュニケーションが活発化されるからです。

以下のユーザー会と製品セミナーの比較表を見てみましょう。

【ユーザー会と製品セミナーの比較表】

 

ユーザー会

製品セミナー

企業からユーザーへの発信

・製品の具体的な使い方や機能などを解説
・専門家を招いてセミナー
・新機能や新製品のお知らせなど

・一方的に製品の具体的な使い方や機能などを解説
・デモンストレーションの実施など

ユーザーから企業への発信

・製品の改善や新機能の要望
・質疑応答

質疑応答

ユーザーからユーザーへの発信

・ユーザーが登壇して、他のユーザーに効果のあった活用方法を伝授
・製品を用いた施策内容の発表
・グループディスカッションなど

なし

上記の表を見てみると、製品セミナーはユーザー同士の交流がほとんどないのに比べ、ユーザー会はユーザー同士が活発に交流して、コミュニケーションを取れる機会が多いことが分かります。

このようにユーザー会は、製品セミナーと比べて、ユーザー同士の情報交換が盛んに行われる場であると言えるでしょう。

2. 企業がユーザー会を開催すべき4つの理由

企業がユーザー会を開催すべき理由は、以下の4つです。

・既存の製品やサービスに関するフィードバックを収集しやすい
・新製品や新サービスの開発に役立つ潜在ニーズを知れる
・ユーザーが企業のファンになりやすい
・製品やサービスの導入を検討しているユーザーへの説得力が増す

以下で1つずつ解説していきます。

2-1. 既存の製品やサービスに関するフィードバックを収集しやすい

企業がユーザー会を開催すべき理由の1つとして、既存の製品やサービスに関するフィードバックを収集しやすい点が挙げられます。

普段から自社の製品やサービスを使用している多数のユーザーと直接、交流できるからです。

たとえば製品やサービスのフィードバックを収集する手段の1つとして、アンケートがありますが、多くの場合、細かく入力する必要があるため、「面倒だからやらない」もしくは「やっても簡潔に回答する」といったユーザーが多いです。

しかしユーザー会であれば対面で直接コミュニケーションが取れるため、ユーザーは積極的に製品やサービスのフィードバックをしてくれるでしょう。

同じくユーザーへのヒアリングもフィードバックを収集する手段として有効ですが、ユーザー11人に対してスケジュールを調整する必要があるほか、ヒアリング自体も手間や時間がかかり、大変です。

しかしユーザー会であれば、ユーザーが一堂に会します。そのため1人1人個別にスケジュールを調整する必要がないほか、長い時間をかけてヒアリングする必要もなく、短時間で一気にフィードバックを収集しやすいでしょう。

このように既存の製品やサービスに関するフィードバックを収集しやすい点が、ユーザー会を開催すべき理由と言えます。

2-2. 新製品や新サービスの開発に役立つ潜在ニーズを知れる

新製品や新サービスの開発に役立つ潜在ニーズを知れる点も、企業がユーザー会を開催すべき理由でしょう。

企業とユーザーが交流していく中で、ユーザー自身も気づいていなかった願望が浮き彫りになるからです。

たとえば企業だけでもある程度、ユーザーが何を求めているのか顕在ニーズをイメージできますが、顕在ニーズだけを参考にして製品やサービスを開発しても、他社の製品やサービスに埋もれてしまう可能性があります。

しかしユーザー会では、ユーザーと密にコミュニケーションを取れる場なので、ユーザーがどんな製品やサービス、機能を求めているかだけでなく、その背景にある個人的事情や、社内の状況などを把握しやすいです。そのためユーザー自身もまだ認識していないような潜在ニーズを発見できるでしょう。

このようにユーザー会は、新製品や新サービスの開発に役立つ潜在ニーズを知れる絶好な場のため、企業は積極的に開催すべきと言えます。

2-3. ユーザーが企業のファンになりやすい

企業がユーザー会を開催すべき理由の1つとして、ユーザーが企業のファンになりやすい点も挙げられます。ユーザー会に参加したユーザーは、企業への愛着心が増すからです。

ユーザーが製品をただ使っているだけの状況では、企業への愛着心が増すことは、あまりないでしょう。

しかしユーザー会を開催し、たとえば実際に効果のあった製品の活用方法や、業務のヒントになるような話題など、ユーザーの普段の仕事に役立つようなコンテンツを提供したとします。

その結果、ユーザーのスキルの向上やキャリアアップにつながれば、そのきっかけである製品やユーザー会を開催した企業に愛着を持つようになります。

またユーザー会は、同じ悩みや目標を持つ仲間を作りやすい環境です。

そのためユーザー会に参加したことがきっかけで、ユーザーに横のつながりを作る機会を与えられた場合も、ユーザーはそのきっかけである製品やユーザー会を開催した企業に愛着を持つようになるでしょう。

このようにユーザーが企業のファンになりやすい点も、企業がユーザー会を開催すべき理由と言えます。

2-4. 製品やサービスの導入を検討しているユーザーへの説得力が増す

製品やサービスの導入を検討しているユーザーへの説得力が増す点も、企業がユーザー会を開催すべき理由でしょう。

ユーザー会では、すでに製品やサービスを使っているユーザーのリアルな声や使用感を直接聞けるからです。

たとえば自社製品やサービスを導入するか迷っているユーザーに対し、メリットや便利機能など自社がまとめた資料を見せてプレゼンしたとします。

その製品やサービスが本当に優れていても、ユーザーの中には「本当に狙った効果が出るのだろうか?」「メリットを誇張していないだろうか?」と、疑う人も少なくありません。

しかしユーザー会に参加してもらい、実際にすでに製品やサービスを使っているユーザーの生の声を聞いたり、他社の成功した活用事例を聞いたりすることで、「こんなに製品を使っている人がいるのか」「他社が成功しているのであれば、自社が導入しても効果が見込めるかもしれない」といったように、プラスに捉えてもらいやすいです。

このようにユーザー会は既存のユーザーだけでなく、製品やサービスの導入を検討しているユーザーの説得にも有効なため、企業は積極的に開催すべきでしょう。

3. ユーザー会は参加者側のメリットも大きいため集客しやすい

ここまで読み進めた人の中には「企業がユーザー会を開催すべき理由は分かったけれど、ユーザー会に参加してくれる人は少ないのでは?」と疑問に思っている人もいるでしょう。

しかしユーザー会は、以下のように参加するユーザー側のメリットも大きいため、顧客にきちんと周知すれば、集客できる可能性は高いです。

・悩みの解決につながる
・効果的な活用方法や運用のコツを知れる
・他社とのつながりが増える
・企業に悩みや要望を直接伝えられる

以下でユーザー側のメリットを1つずつ説明していきます。

3-1. 悩みの解決につながる

悩みの解決につながる点は、ユーザー会に参加するメリットの1つででしょう。

自社で業務を行っているだけでは視野が狭くなりがちですが、ユーザー会は他社で自身が使っている製品を同様に使っている人と情報交換できるため、視野を広げられるからです。

たとえば企業の製品を使っている人の中には、「自分が製品を使って実施している施策は本当に問題ないのか」「製品の設定方法は本当にこれで合っているのか」といったように、悩んでいる人もいるかと思います。

しかしユーザー会に参加すれば、さまざまな人と情報交換する中で視野を広げられ、自身が製品を活用して行ってきた施策を客観視できるほか、他社の製品の設定方法や、どのように使っているのかなどを知れます。

その結果、自分が行っている施策や設定方法が正しいのか、もしくは誤っているのかを確認できるだけでなく、不安も払拭できるでしょう。

このように悩みの解決につながる点は、ユーザー会に参加するメリットの1つと言えます。

3-2. 効果的な活用方法や運用のコツを知れる

ユーザー会に参加するメリットの1つとして、製品の効果的な活用方法や運用のコツを知れる点も挙げられます。

ユーザー会に参加することで、製品の説明書やwebサイトに記載されている使い方、Googleをはじめとした検索エンジンからは得られない貴重な情報を得られるからです。

たとえばユーザー会では、実際に製品を活用して効果を得られた人が登壇して、製品の活用方法や、その結果に至るまでのプロセスを、包み隠さず教えてくれるなどのプログラムが組まれていることが多いです。

製品のwebサイトに掲載されている企業の活用事例や、製品を使っている人のブログ記事などから、ある程度の情報や知識は得られるでしょう。

しかしユーザー会に参加すれば、どのように製品を活用しているのか事細かにレクチャーしてくれるほか、自社の場合はどのように活用すれば効果的か、より具体的にイメージできるようになります。

このように、自身の知識や経験だけではたどり着くのが難しい効果的な活用方法や、運用のコツを知れる点は、ユーザー会に参加するメリットと言えるでしょう。

3-3. 他社とのつながりが増える

他社とのつながりが増える点も、ユーザー会に参加する側のメリットに挙げられます。他社の自分と同じような立場の人と交流できることで、社内の人に相談できないことを相談できるほか、業務の大変さや苦労などを共感し合えるからです。

たとえば企業規模にもよりますが、部署内の人数が少ない場合や、そもそも部署が設置されておらず、「経理担当者」「マーケティング担当者」のように振り分けられている場合、社内で特定のシステムやツールを使用する人は限られます。

そのため相談できる人が社内にいなかったり、孤独感を感じていたりする人も多いのではないでしょうか?しかしユーザー会に参加することで、自身と同じような立場や悩みを抱えている人とのつながりを得られます。

その場限りの関係ではなく、ユーザー会に何度も参加していくうちに、普段の業務について相談し合える仲になることも考えられるでしょう。

とくに社内に相談できる人がいない場合は、企業の垣根を超えて、特定のシステムやツールの活用方法や業務について相談したり共感し合える人がいるのは心強いかつ、仕事へのモチベーションも上がるはずです。

このように他社とのつながりが増える点は、ユーザー会に参加するメリットと言えます。

3-4. 企業に悩みや要望を直接伝えられる

ユーザー会に参加するメリットの1つとして、ユーザーが企業に悩みや要望を直接伝えられる点も挙げられます。というのもユーザー会では、ユーザーの悩みや要望に対して企業がリアルタイムで返答できるからです。

たとえばユーザーの声や意見を集める方法の1つであるアンケートと比べてみましょう。

アンケートの場合、ユーザーから「機能のここが使いにくいので改善してほしい」「〇〇の使い方が分からない」などの意見をもらった場合、製品をアップデートする際に参考にすることはできても、11人に返答することは不可能です。

その点、ユーザー会の場合、企業とユーザーはリアルタイムで直接コミュニケーションが取れます。

そのため企業はユーザーから意見や質問をもらったらその都度返答でき、その結果、ユーザーの「すぐに悩みを解決したい」「企業は改善する気持ちがあるのかな」といったようなモヤモヤとした気持ちの解消にもつながるでしょう。

このようにユーザーが企業に悩みや要望を直接伝えられる点は、ユーザー会に参加するメリットの1つと言えます。

4. ユーザー会は参加者全員に刺さる会にするのが難しい

ユーザー会のデメリットは、参加ユーザー全員に対して実りあるユーザー会にするのが難しい点です。というのも、参加者の立場や目的がさまざまだからです。

たとえば以下の例のように、同じ製品を使っていても、ユーザーの製品の使用年数などによって、ユーザー会に求めることが変わってきます。

製品の使用年数

ユーザー会で知りたいこと

数ヶ月

設定方法が間違っていないかや便利な使い方など

3

他社の効果的な活用方法や運用方法など

また社内でどんなポジションかによっても、以下のようにユーザー会に求めることが変わってくるでしょう。

ポジション

ユーザー会で知りたいこと

チーフやチームリーダー

チームで製品を上手く活用する方法や、課題解決へのプロセスなど

部署の部長

他社の同じような部署が、製品を活用して行っているさまざまな施策など

上記のように、ユーザー会の参加者は立場や目的がさまざまなため、全員に対して実りのあるユーザー会を開催するのは難しいです。

すべての参加者の要望を満たすようなプログラムを無理やり組んでしまえば、誰も満足できない中途半端なユーザー会になってしまう恐れもあります。

このようにユーザー会のデメリットは、参加ユーザー全員に対して実りあるユーザー会にするのが難しい点と言えるでしょう。このデメリットを補うためのポイントは、「6.ユーザー会を成功させるポイント」で解説しているので、ぜひ目を通してください。

5. 実際に企業が開催したユーザー会の成功事例

ユーザー会のメリットやデメリットは分かったけれど、実際にユーザー会を開催している企業について知りたい人もいるかと思います。

そこで本章では、実際に企業が開催したユーザー会の成功事例を3つ紹介していきます。

どんなコンテンツを提供しているかや、どんな工夫を凝らしているかなどにもふれているので、自社でユーザー会を開催した場合をイメージしながら読み進めてください。

5-1. MIERUCA

Webマーケティングを支援する会社、Faber Companyは、2ヶ月に1回のペースで自社のSEO・コンテンツマーケティングツール「MIERUCA」のユーザー会を開催しており、毎回、予約がすぐに埋まってしまうほどの人気を博しています。

というのもMIERUCAのユーザー会は、ユーザーの意見を参考にして開催テーマを決めているほか、ユーザーに役立つようなプログラムを組んでいるからです。

たとえばユーザー会を開催する前に、普段の業務の中でどんな点が気になっているのか、どんなことを課題に感じているのかなどをヒアリングしておきます。それらを整理した上でテーマに落とし込むので、ユーザー会の内容とユーザーの参加目的が大きく乖離することがないのでしょう。

プログラムとしては、製品に関して知見を持っているユーザーや、実際に製品を活用して課題や目標に取り組んでいるユーザーに、ライトニングトーク形式(5分程度の短いプレゼンテーション)で施策内容を発表してもらうなど、ユーザーの業務に役立つようなコンテンツを組んでいます。

このようにFaber Companyは、ユーザー目線でMIERUCAのユーザー会を開催することによって、ユーザーの役に立つだけでなく、ユーザー自ら製品を宣伝してくれるようになるなど、製品や企業のファンを作ることにも成功しています。

参考:MIERUCAのカスタマーサクセス――ファン化につながるユーザー会の作り方 | IT review Labo

5-2. BENCHMARK Email

アメリカに本社を置くBENCHMARK JAPANは、 HTMLメール配信クラウドサービスである「BENCHMARK Email」のユーザー会を開催しており、ユーザーから好評を得ています。

ユーザーの居心地の良い空間になるよう工夫したり、ユーザー同士が交流しやすいようなプログラムを提供しているからです。

たとえばセミナールームなどを借りるのではなく、カフェのようなオープンな場を借りてユーザー会を開催しているほか、ケータリングを手配したりビュッフェ形式で食事を楽しみながらユーザー会を行っているので、ユーザーは緊張せずに、肩の力を抜いて参加できているのではないでしょうか。

プログラムとしてはユーザー同士が自社で行っている施策や課題などについて、意見を交換できるグループディスカッションの時間を設けています。そのほか、参加ユーザー同士が具体的なディスカッションができるように、あらかじめ開催テーマを絞るなどの工夫も行っています。

このようにBENCHMARK JAPANは、ユーザーが居心地良く過ごせる空間や、コミュニケーションが生まれやすい場を提供することで、ユーザーから好評を得ているほか、ユーザーの製品や企業への愛着心をより強くすることに成功しています。

参考:ユーザー会を行う目的・メリットとは?過去4回の開催から学んだことをご紹介 | BENCHMARK / 【ユーザー会レポート】第1回Benchmark Japanユーザー会 | BENCHMARK

5-3. BizRobo!

RPAやAIを活用した情報処理サービス業などを営むRPAテクノロジーズは、RPAサービス「BizRobo!」のユーザー会を定期的に開催しており、ユーザーからの満足度が高いです。

ユーザーの役に立つさまざまなコンテンツを提供しているほか、ユーザーの声が既存製品のアップデートにきちんと反映されるなどの理由が考えられます。

たとえばロボット開発者向けにオンライン上で開催されたBizRobo!の第3回ユーザー会では、参加者全員がその場でロボットを開発するといったプログラムが組まれました。他の人が作ったロボットを見られる機会は少ないため、ユーザーからは「とても勉強になった」と好評でした。

また同じくオンライン上で開催された第4回ユーザー会では、登壇トークやパネルディスカッションのほかに、BizRobo!SNSであるBizRobo! LAND COMMUNITYに追加してほしい機能のアンケートが取られました。

このアンケート結果を参考に、実際に新機能が追加されるため、ユーザーとしては自身の声がきちんと企業に届いていることを実感できるのではないでしょうか。

このようにRPAテクノロジーズは、ユーザーの役に立つコンテンツを提供しているほか、収集したユーザーの声を既存製品のアップデートに反映することで、ユーザーの満足度を高めることに成功しています。

参考:【満足度100%!】第3回BizRobo! CAMPUSオンラインを開催しました! | RPAテクノロジーズ / 第4回「BizRobo! CAMP!!オンライン」を開催しました! / RPAテクノロジーズ

6. ユーザー会を成功させるポイント

ここでは前章で紹介した企業の成功事例から分かる、ユーザー会を成功させる以下3つのポイントについて紹介します。

・ユーザーのターゲットを絞ってテーマを決定する
・ユーザーに役立つコンテンツをプログラムに盛り込む
・効果を計測して改善につなげる

以下で1つずつ説明していきます。

6-1. ユーザーのターゲットを絞ってテーマを決定する

ユーザー会を成功させるポイントの1つとして、ユーザーのターゲットを絞ってテーマを決定する点が挙げられます。ユーザー会へ参加する目的や知識の深さ、経験などがユーザーによって異なるからです。

たとえばターゲットを絞らずにユーザー会を開催した場合、ユーザーによっては「得るものがなかった」「話が難しくてよく分からなかった」と、マイナスのイメージを持ってしまう可能性があります。

しかし以下のように、あらかじめユーザーの目的や経験などを考慮して、ターゲットを絞ってテーマに反映すれば、ユーザーにとって実りあるユーザー会になるはずです。

・製品を使い始めて半年未満の人に、おすすめの設定方法や運用のコツを紹介するユーザー会
・他社の活用方法を知りたい人向けに、交流やディスカッションをメインとしたユーザー会

ユーザー会を成功させるためにも、ぜひユーザーのターゲットを絞ってテーマを決定するようにしましょう。

6-2. ユーザーに役立つコンテンツをプログラムに盛り込む

ユーザーに役立つコンテンツをプログラムに盛り込むことも、ユーザー会を成功させるポイントの1つです。

ユーザーに役立つコンテンツを提供することで、ユーザーの業務効率化につながるほか、スキル向上やキャリアアップなど、ユーザーの成功につながるからです。

たとえば自社の製品に関する情報だけでなく、

・参加ユーザーが所属している部署やチームで業務に役立つ情報
・他社のシステムやツールと組み合わせる効果的な使い方

といったようなコンテンツをプログラムに盛り込むと、ユーザーの役に立つでしょう。

このようにユーザーに役立つ実用的なコンテンツをプログラムに盛り込むことは、ユーザー会を成功させるポイントと言えるでしょう。

6-3. 効果を計測して改善につなげる

ユーザー会を成功させるポイントの1つとして、ユーザー会の効果を計測して改善につなげる点も挙げられます。というのもユーザー会は、ユーザーの役に立つという目的のほかに、自社の課題を解決するといった目的もあり、効果がなければ成功とは言えないからです。

たとえば狙った効果があったかは、以下のような方法で計測できます。

・「自社や製品のファンを増やしたい」といった目的がある場合:ユーザー会の開催前と開催後に、顧客ロイヤリティを測るNSP調査を行い、自社や製品への愛着度がどれだけ高まったかを計測する

・「製品を継続して契約してくれるユーザーを増やしたい」といった目的がある場合:ユーザー会の開催前と開催後で製品の解約率を比較し、ユーザー会の効果を計測する

上記のように効果を計測した後は、その計測結果を元に、次回開催するユーザー会のテーマやコンテンツを改善していきましょう。

このようにユーザー会を開催する度に効果を計測し、改善につなげる点も、ユーザー会を成功させるポイントと言えます。

7. ユーザー会はオンライン上での開催もおすすめ

ユーザー会は会場を借りて開催する形式だけでなく、オンライン上での開催もおすすめです。オンライン上で開催すれば、遠方に住んでいるユーザーも参加できるほか、会場を借りる必要がないので、その分の手間やコストを削減できます。

また「6.ユーザー会を成功させるポイント」で紹介した、ユーザー会を成功させるポイントを意識して開催すれば、オンラインでもユーザー会を成功に導けるでしょう。

たとえば「5. 実際に企業が開催したユーザー会の事例」でも紹介したBizRobo!のユーザー会は、オンライン上で計10回ほど開催していますが、毎回、多くのユーザーが申し込み、実りあるユーザー会となっています。

実用的なプログラムを組んでいるほか、テーマがしっかり定められているからです。実際に20211月に開催された第9回目のオンラインユーザー会開催後のアンケートでは、参加したユーザーの30%が「満足」、69%が「大変満足した」と回答しています。

参考:ユーザー会レポート | RPAテクノロジーズ株式会社「BizRobo!」 / 第9回「BizRobo! CAMP!!オンライン」を開催しました! | RPAテクノロジーズ

このようにユーザー会はオンライン上で開催する場合でも、実りあるユーザー会にできます。ぜひオフラインのユーザー会だけでなく、オンライン上でも開催してみましょう。

オンラインユーザー会の開催に興味がある場合は「WONDERLINE」にご相談ください

WONDERLINEは、オンライン展示会を開催したい企業向けのプラットフォームです。以下のような特長があるため、オンラインユーザー会を開催する場合もご活用いただけます。

・安心サポート体制:運営事務局が、ご利用方法のレクチャーや集客など幅広い分野をサポートします。そのため初めてオンラインユーザー会を開催する場合も、イベント設計などの核となる業務に注力できるでしょう。

・ウェビナー視聴予約システム:ユーザーが視聴したいウェビナー情報を確認でき、かつ視聴予約ボタンをクリックするだけでウェビナーの予約が可能です。ユーザーが操作方法が分からず、離脱してしまうといったことを防げます。

・資料ダウンロード:ユーザーがパンフレットやユーザー会で使用する資料のPDFデータをダウンロードできます。そのためユーザー会で使用する資料を郵送したり、メールで別途送信したりといった手間を省けるでしょう。

・オンラインアンケート:ユーザーに向けたオンラインアンケート(Googleフォームが標準仕様)が実施可能です。今後も定期的にユーザー会を開催していくために必要不可欠な、ユーザーの感想やイベントの要望などの把握に役立ちます。

上記のような特長を活用することで、ユーザー会の開催が初めての場合でも、安心して開催できるようにサポートいたします。

もしオンラインユーザー会の開催に興味がある場合は、ぜひWONDERLINEをご活用ください。

8. まとめ

ユーザー会とは企業が提供している特定の製品やサービスを使っているユーザー同士や、企業とユーザーが交流できるイベントのことです。

以下4つの理由から、企業はユーザー会を開催すべきでしょう。

・既存の製品やサービスに関するフィードバックを収集しやすい
・新製品や新サービスの開発に役立つ潜在ニーズを知れる
・ユーザーが企業のファンになりやすい
・製品やサービスの導入を検討しているユーザーへの説得力が増す

企業側だけでなく、以下のように参加するユーザー側のメリットも大きいです。

・悩みの解決につながる
・効果的な活用方法や運用のコツを知れる
・他社とのつながりが増える
・企業に悩みや要望を直接伝えられる

しかし参加者の立場や目的はさまざまなため、企業は参加ユーザー全員に対して、実りあるユーザー会にするのが難しいといったデメリットもあります。

ユーザー会を成功させるポイントは、以下の3つが欠かせません。

・ユーザーのターゲットを絞ってテーマを決定する
・ユーザーに役立つコンテンツをプログラムに盛り込む
・効果を計測して改善につなげる

ユーザー会は、ユーザーの悩みや課題を解決するだけではありません。企業の悩みや課題も解決できるほか、ユーザーに企業や製品に愛着を持ってもらう絶好のチャンスなため、ぜひ開催を検討してみてください。

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