良質なリードを獲得!成功する展示会テーマの作り方4STEP

「展示会に出展するにあたって、いいテーマを考えたい」
「見込み客に届く展示会のブーステーマって、どうやって作ればいいのだろう」

展示会への出展の成功は、なんといっても「テーマ」の設定が正しくできているかどうかにかかっています。

展示会に訪れる来場者のニーズと、自社の商材とが合致するテーマでなければ、来場者は足を止めてくれないからです。

実際、テーマを正しく設定できていると、反応の良い優良な見込み客や、新規顧客の獲得など、実際に売上につながる可能性が飛躍的に高まります。

 そのため、売り上げにつながる正しいテーマを設定するためには、正しい問いを立てて、正しい順番で答えていく作業が必要になります。

 そして展示会のテーマを決めたら、実際に来場者の足を止めるキャッチコピーにテーマを落とし込んでいきます。

 ここでは、より効果を上げるため「目をキャッチするもの」と「耳をキャッチするもの」とに、明確に分けて戦略的に作成していくことが大切です。

 まずはこの記事で、展示会のテーマについてしっかりと理解してから、効果的なアウトプットをしましょう。

 また、記事の後半には、コストパフォーマンスの高さから注目を浴びている「オンライン展示会」についても、出店の流れやメリット・デメリットなどについてもお伝えしていきます。

本記事のポイント

展示会テーマのを正しく設定する必要性を知ることができる
展示会テーマを決めるための流れを知ることができる
展示会テーマをキャッチコピーに落とし込む方法を知ることができる
展示会テーマを決めるための具体的な注意点を知ることができる
オンライン展示会のテーマの重要性を知ることができる
オンライン展示会について知ることができる

 この記事を読むことで、正しいテーマ設定で来場者にアピールし、自社の売上に繋がる顧客を得ることができるようになります。

1.成功する展示会のテーマとは

展示会を成功させるかどうかは、テーマを正しく設定できているかにかかってきます。

 ここで言う「成功」とは、単にブースへの来場者数や名刺の獲得数といった、有象無象を含んだ頭数の多さを指すものではありません。

 展示会の「成功」とは、実際的な売り上げにつなげることができる、反応の良い見込み客や新規顧客を指しています。

冒頭でもお伝えしましたが、正しいテーマ設定ができていると、たくさんの来場者の中から、売り上げにつながる人物に特定してアプローチをすることができるのです。

まずは順に、展示会ブースのテーマの重要性について、わかりやすく説明していきましょう。

1-1.成功する展示会のテーマの鍵は「来場者目線」で作られているかどうか

 展示会のテーマとは、来場者に「自分の悩みを解決するものがある場所だと瞬間的に思わせるもの」です。

 なぜなら、来場者の滞在時間はとても短く、その短い滞在時間の中で、目当てのセミナーや、事前に目星をつけておいたり約束をしていたりするブースに「点」で足を運ぶため、よほどの興味を惹かれないブース以外は、ただ素通りする「景色」としか見えないからです。

 参考までに、日本最大級の展示会における、来場者の見学時間は以下のようになっています。

参考:JIMTOF2018結果報告書

注意したいのが、この展示会が開催されている会場です。
東京ビッグサイトの全展示面積(115,420㎡・東京ドーム2.4個分)を使っての展示になるため、出展しているすべてのブースを訪れることは、まずありえないでしょう。

また、全体のおよそ6分の1近くにのぼる見学時間「1~2時間」の来場者は、おそらく目当てのセミナーや講演会にのみ参加し、それだけで帰って行ったことが予想されます。

つまり、あなたの展示ブースがもともと行きたい「点」として来場者に目当てにされているか、既存客と約束をしているかでない限り、ほとんどの来場者は「ふらっと」あなたの展示ブースを訪れたりしないのです。

この、足早に展示ブースの目の前を通り過ぎようとしている来場者の目と足を止めることができるのが、正しいテーマ設定であり、「自分の悩みを解決するものがある場所だと瞬間的に思わせるもの」です。

いかに来場者の目線で、来場者の悩みを的確に捉えているか、来場者の抱えている問題に共感できる企業であるかをわかりやすく伝えることが、成功する展示ブースの鍵を握っています。

より具体的に、よりピンポイントに、数多ある展示ブースの中で、「まさに自分のことだ」と思わせる正しいテーマ設定を丁寧に行い、このテーマに従って、ブースのコンセプトやデザイン、スタッフの配置や衣装、ノベルティの内容などを決めていきます。

テーマは最終的にキャッチコピーに落とし込むものですが、そもそもの設定を誤ると、見込み客とコミュニケーションすることのできないただの標語で終わってしまうのです。

展示会の成功の鍵は、正しいテーマ設定にあると言っても、過言ではありません。

1-2.展示会のテーマを正しく設定すると良質なリード獲得につながる

 展示会のテーマを正しく設定することで、来場者はあなたのブース前で足を止め、そこで情報を得ようと思います。

 なぜなら、少なくとも自分の悩みを知っている、しかもどうやら解決のヒントが得られるかもしれないブースだと思えるからです。

 テーマ設定が正しければ正しいほど、その来場者は、あなたが事前に思い描いていた「優良な見込み客」に、立場や状況がとても近い人物である可能性が非常に高くなります。

 テーマが正しく設定され、それに従ってブースのデザインや必要スタッフの配置がされると、たくさんの来場者の中から反応の良い見込み客や新規顧客を選び出してコミュニケーションを取ることができるのです。

 大切なことなのでもう一度書きます。

 たくさんの来場者の中から、反応の良い見込み客や新規顧客を選び出してコミュニケーションを取ること。

 数多いる来場者に、あなたの展示ブースを「選んでもらう」のではないのです。
正しいテーマ設定をすることで、展示ブース全体が、あなたが本当に出会いたい「優良な見込み客」を選び出してくるのです。

そのほかにも、正しいテーマ設定によって、以下のようなことが起こります。

・感謝されるノベルティを作ることができる
・必要な人員配置ができる
・展示会主催者や記者から取材される

コミュニケーションするべき相手を絞るため、いたずらに多くの人員やノベルティを用意しなくても済みます。

 つまり、正しいテーマ設定によって、本当に必要な予算で売り上げにつながる顧客の獲得ができる、高いコストパフォーマンスを実現することが可能になるのです。

1-3.展示会のテーマを正しく設定しないと求めている見込み客に出会えない

展示会テーマが正しく設定されていないと、来場者のアンテナに引っかからないために、以下のことが起こります。

・導入権のある人物と話ができていない
・スタッフが足りなくなる
・だれもブースに足を止めない
・「ここは何のブースですか?」と聞かれる
・ノベルティとスタッフが余る

上の2つは、「求めている見込み客とは違う来場者に時間を取られる」ケースです。
下の3つは、「だれのアンテナにも引っかからなかった」ケースです。

それぞれどういう内容のものか、見ていきましょう。

■「求めている見込み客とは違う来場者に時間を取られる」ケース
スタッフが足りなくなるほど、話を聞こうとしてくれる来場者が溢れている状態は、一見すると活気付いていてとても盛況に見えます。

しかし、それが求めている見込み客でなければ、その場で成約に繋げることはもちろん、一年経っても三年経っても、商談に結びつく話に発展することはないでしょう。

単に業界の最新情報や他社動向を探りに来ただけの相手に、営業スタッフが時間を割いて情報提供をしているだけなのです。

敷居を下げることは手段として時に使えますが、「求めている見込み客」を、そもそも出展者が理解できていない場合に起こりがちなケースです。

正しいテーマ設定には目標数値も含まれているため、それに合わせた人員配置をしていれば、そもそもスタッフが足りなくなることはないと言えます。

■展示会テーマが「だれのアンテナにも引っかからなかった」ケース
広くたくさんの来場者に訴えようと、抽象的で大きなスケールのテーマを掲げた結果、だれにも何も伝わらないコミュニケーションをしてしまうケースです。

営業、マーケティング、商品開発、代理店担当など、他部門の意見を取り入れすぎることでも陥りやすくなります。

ブースの目の前を通る来場者に片っ端からノベルティを配るだけの最終日が、容易く想像されるでしょう。

高い出展費を払って出展したのに、上述のような状態では、展示会が「成功」したとは決して言えないでしょう。

しかし実際には、上記のような状態に陥ったことがある展示会出展経験者は多いものです。

テーマの設定が正しくない、あるいは設定をしていないままに展示会出展を進めてしまうことは、予算も人員も無駄にすることと言えます。

2.成功する展示会テーマ設定のための4つのSTEP

展示会を成功させるためのテーマ設定の要は「絞り込み」と「具体化」です。

「絞り込み」と「具体化」をすることで、反応の良い見込み客を見分け、ケースによっては展示会の場で啓蒙することもできるのです。

ここではこの2点を念頭に置いて、テーマを絞り込むための4つのSTEPを順に解説していきましょう。

2-1.成功する展示会テーマ:STEP1 目的を絞り込む

「何のために展示会に出展するのか」の目的を絞り込みます。

展示会に出展する目的は、大きく以下の3つに分けられます。

・見込み客の獲得
・既存客との関係を深める
・新商材の認知宣伝

それぞれの目的は、以下のように言い換えることができます。 

展示会出展の目的

見込み客の獲得

顧客の問題解決をして新規顧客につなげ、売上拡大する

既存客との関係を深める

・アップセルやクロスセルによる売上拡大
・見込み客の紹介

新商材や自社の認知宣伝

業界内での存在感を高めて指名による見込み客を増やす

 ご覧いただくとわかるように、展示会の場の目的のほとんどは「見込み客を得る」ことです。

 ここで大切なのは、単なる見込み客ではなく、展示会の場で可能な限り「反応の良い見込み客」にアプローチしたり、その場で育てたりするということ。

そのため、顧客の抱えている問題を、その展示会に出展しているほかの企業よりも、よりピンポイントかつ効率的に解決できる策を持っている企業であるという期待感を高めることなのです。

これにより、展示会終了後の営業電話について、相手に「待ってました」と思われるか、「あー、かかってきちゃった」と思われるかが左右されます。

また一方で、展示会には、さまざまな来場者がそれぞれの目的を持ってやってきます。

 来場者の目的は、主に以下の2つに分けられます。

・自社の悩みや問題を解決できる商品やサービスを探している
・市場の動向について情報収集したい

内訳としては、1:9程度と考えておいた方が良いでしょう。

つまり、ほとんどの来場者が、明確な目的なく、上司の指示や息抜き程度の情報収集で訪れているのです。

悩みや問題を抱えている担当者といっても、悩みや問題が明確になっているケースはほぼありません。
なんとなく、漠然としか悩みや問題について把握できていないため、展示会の場で問題解決のための策が得られることを、ほとんど想定していないのです。

「なんとなく」探しに来ている来場者に対して、こちらも「ぼんやりと」したテーマの提示しかできなければ、かけたコストや時間が無駄になるのは目に見えています。

一方、正しいテーマ設定の元にブース展開している企業に対して、来場者はそこに以下のものを感じ取り、足を止めます。

・問題解決に対する本気度
・綿密な計画に基づいた解決力
・企業全体としてのサポート力の高さ
・アクティブで柔軟な企業姿勢

言い換えれば、展示会ブースのテーマ設定すら正しく行えないような企業には、どんな目的で来ている来場者も、足を止めることはないのです。 

2-2.成功する展示会テーマ:STEP2 商材を絞り込む

社内で扱う商材から展示する商品を選択します。

基本的には、もっとも売れている既存商品やサービスをメインの展示商材として大きく扱います。

売れているということは、顧客の抱える問題を解決できている商材だということ。
そこにある顧客の普遍的な悩みやニーズに合致していることになります。

たくさんの来場者が集う展示会の会場において、顧客の普遍的な悩みやニーズを解決する策を持っているということをアピールできると、自然とアプローチできる対象が多くなります。

自社の強みをアピールしやすいだけでなく、2-3.成功する展示会テーマ:STEP3 ターゲットを絞り込むを行う際にも、悩みやニーズの抽出がしやすくなります。 

行うべき具体的なタスク:①商材の特徴を洗い出す 

商材を絞り込んだら、商材の特徴を洗い出します。
洗い出しの作業には、社内外の協力を得ることが鍵です。

マーケティングや営業だけでなく、既存顧客や広報、購買などからも商材の特徴を挙げてもらうことで、これまでとは別の観点から商材を見つめ直すことができます。

商材の特徴をリスト化し、グループ分けして見直すことで、マーケティング上の強みと現実の強みの融合点や差異を見つけることもできるでしょう。

2-3.成功する展示会テーマ:STEP3 ターゲットを絞り込む

商材のターゲットをペルソナ(顧客の人物像)まで絞り込みます。

ここで大切なのは「こんな人が来るだろう」という来場者イメージを描くことではありません。

明確に、購買決定権を持つ人物について、人物像の落とし込みを行います。

ペルソナで考えておくべき最低限の事項

 ・氏名
・年齢
・性別
・役職
・年収
・性格
・家族構成
・価値観
・口ぐせ
・情報収集の仕方
・休日の過ごし方
・趣味

人物像の絞り込みを行い、購買決定権を持つ人物にまつわるストーリーについて、考えていきます。

行うべき具体的なタスク:②顧客の悩みを洗い出す

ペルソナが見えてきたところで、この人物の悩みを洗い出します。

できるだけ範囲を狭めず、仕事や業務上の悩みだけでなく、広く職場や学友などの人間関係、子どもの教育、容姿や家族、経済上の悩みなどを含め、できるだけ具体的に想像して書き出していきます。

一見すると業務に関係ないことでも、業務改善を図ることでプライベートの悩みまで解決されることもあるため、ここでは柔軟に思い浮かぶものをすべて書き出していくことが大切です。

顧客の悩みの洗い出しができたら、展示会で扱う商材によって、この顧客の悩みがどのように解決されていくのかを明確にします。

頭の中で「なんとなく」商材による問題解決の流れをイメージすることはできますが、ここではしっかりと解決までの流れを文字に書き起こし、文字起こしした文章を口にしてみることが大切です。

因果関係や段階的な解決ができているかどうか、独善的な解決策の押しつけになっていないかどうかを図るのに、とても重要なひと手間と言えます。

2-4.成功する展示会テーマ:STEP4 目標数値を設定する

目標設定は、展示会後に期間ごとに設定しておくことが理想です。

BtoC商材の場合は、展示会後、比較的早い段階で売上への影響が出るため、1ヶ月後や3ヶ月後の売上金額を目標にしておくことも良いでしょう。

一方、BtoC商材の場合は、展示会の成功が「売上」として現れるのに、早くても半年、長ければ数年先になるものも多いです。

そこで、以下のような項目で、段階的に目標数値を設定しておくことをおすすめします。

・獲得したリードの数
・リード獲得単価
・獲得した商談数
・商談の獲得単価
・商談から受注した売上額

獲得した名刺数を目標数値に設定する場合もありますが、それは展示会出展の目的を「宣伝・認知拡大」一本に絞り込んだ時にした方が良いでしょう。

同じく「宣伝・認知拡大」を狙う場合でも、名刺獲得数よりも、SNSでの拡散数などを目標数値に設定した方が、より展開が早く効果も見えやすくなります。

3.展示会テーマをキャッチコピーに落とし込もう

展示テーマを設定したら、あとはそれを言語化する作業に入ります。

用意すべきキャッチコピーは、2種類あります。

・ブースや配布物に刷り「目」をキャッチする言葉
・ブース前の呼び込みで「耳」をキャッチする言葉

それぞれで役割が異なるだけでなく、相乗効果で役割を補完し合いながら見込み客を「キャッチ」することができるため、両方を用意しておくことが大切です。

それぞれの設定方法を見ていきましょう。

3-1.展示会テーマを言葉にする:ブースや配布物に刷り「目」をキャッチする

ブースや配布物に刷るキャッチコピーには、「言語化された問題」と「解決策」を盛り込みます。

2-3.成功する展示会テーマ:STEP3 ターゲットを絞り込むで行った、自社商材によって問題解決する流れの、後半から最終段階の問題と解決策をセットにして見せるのです。

「目」をキャッチするコピーの例としては、以下のようになります。


「(商材の特徴)による(商材の効果)で(顧客の悩みや問題)を(顧客の理想的な形)にする」


「(顧客の悩みや問題)を解決する(商材の効果)は、(商材の特徴)で実現可能に」


「(顧客の悩みや問題)は、(商材の効果)で(顧客の理想的な形)までできる」


「すでに(数字)社の(部門や職種)が、(商材の効果)で(顧客の理想的な形)を叶えている」

商材の特徴が、競合他社と差別化できるポイントであれば、できるだけ盛り込んだ方が良いでしょう。

見た目にかっこいいキャッチフレーズより、多少長くても、語呂が悪くても、具体的で現実味のある言葉の方が届きます。

テーマ設定の各段階で出てきた言葉を、まずは上記の例に当てはめてみて、そこから言葉をならしていきましょう。

3-2.展示会テーマを言葉にする:ブース前の呼び込みで「耳」をキャッチする

展示ブースを展開したら、必ず人員を配置して呼び込みを行いましょう。

その際に来場者に対して行う声かけで、見込み客の「耳」をキャッチします。

ここで使う言葉は、2-3.成功する展示会テーマ:STEP3 ターゲットを絞り込むで行った顧客の業務上の悩みをそのまま使います。

「耳」をキャッチするコピーの例としては、以下のようになります。


「(顧客の悩みや問題)を担当していらっしゃいますか?」


「(顧客の悩みや問題)でお困りではないですか?」


「(顧客の悩みや問題)の改善をお考えではないですか?」

この声かけによりキャッチされた来場者は、見込み客につながる可能性を持っています。
「自分に関係している」ことが分かれば、足を止めたり速度を緩めることでしょう。

どのように相手が抱えている悩みや問題を解決できるのか、かいつまんで説明をして、商談スペースへ案内したり、営業担当につなぎます。

時間を割いて話を聞くことで、自社商材で解決できる悩みかどうか、導入にあたっての権限があるかどうかなどを判断していきます。

3-3.成功する展示会テーマをキャッチコピーにする際に注意するべきこと

来場者の「目」や「耳」を捉えるキャッチコピーは、わかりやすさが何よりも大切です。

作成する際には、特に以下の点に注意して作りましょう。

・専門用語を盛り込みすぎないこと
・カタカナを盛り込みすぎないこと
・だれが読んでも句読点のリズムが一致すること

それぞれ、詳しく説明していきましょう。

3-3-1.専門用語を盛り込みすぎないこと

専門用語や業界用語などは、できるだけ排除しましょう。

「これくらい分かるだろう」と思っても、その分野に通じていない人にとっては、ただの記号の羅列にしか見えません。

キャッチコピーは、限られた文字数や時間で相手に意味が伝わることが何よりも重要なもの。
その限られた文字数の中に、意味の分からない言葉が入っていては、もったいないのです。

自分の使う言葉が専門用語だったり業界用語だったりしないかは、家族や学生時代の友人など職場以外の人物に話してみて、意味が通じるかどうかを判断基準にしてください。

3-3-2.カタカナを盛り込みすぎないこと

専門用語と同様に避けたいのが、カタカナの使用です。

ビジネス分野で使われることの多い以下のような言葉は、実は8割以上の人が「知っているけれど実は意味がよく分からない」ものです。

 

認知率

理解率

インキュベーション

10.0%

3.3%

エンパワーメント

11.3%

5.7%

ガバナンス

17.3%

6.8%

スキーム

19.6%

13.6%

キャッチアップ

36.8%

13.6%

グランドデザイン

36.2%

14.3%

アセスメント

62.7%

17.0%

スクリーニング

31.9%

18.5%

グローバリゼーション

47.1%

19.3%

参考:文化庁 カタカナ語の認知率・理解率・使用率【使用率順】

日常的になんとなく使ってしまっている言葉でも、その言葉の意味を聞かれた時に、自分や所属するチームだけでなく、既存顧客のほとんどが明確に説明できるものでなければ、キャッチコピーとしては使わない方が良いでしょう。

すでにあなたの会社の商品やサービスを使っている既存顧客が理解していない言葉を、展示会に訪れる見込み顧客が理解している可能性は、非常に低いと言えます。

先にもお伝えしましたが、キャッチコピーの限られた文字数の中に、意味の分からない言葉が入ってくるのは、非常にもったいないことなのです。

3-3-3.だれが読んでも意味が一致すること

特に紙面に刷るキャッチコピーの場合、声に出して読み上げてみることが大切です。

句読点のリズムや副詞の位置で、ニュアンスが変わってしまう場合があります。

簡単な文章で、例を挙げて比べてみましょう。
次の例文を、ぜひ声に出して読んでみてください。

「精度が高くとても頑丈なネジ」
「とても精度が高く頑丈なネジ」

の文章は、「精度が高く、とても頑丈」と、文章の中央で少しだけ間を取って読んだことでしょう。
精度の高さよりも、頑丈さの状態を強調しています。

の文章は、「とても精度が高く、頑丈」と、文章の後半で間を取って読んだことと思います。
頑丈であることよりも、精度の高さが強調されています。

伝えたいことや強調すべきことが正しく伝わるよう、だれが読んでも意味が等しく通じることに注意して、文章を組み立ててください。

4.実はリアル展示会とオンライン展示会ではテーマの設定の仕方が異なる

オンライン展示会では、テーマの設定段階から、リアル展示会のテーマ設定と少しだけ考え方を変えましょう。

具体的には、「目的」と「目標値」の部分が変わってきます。

また、現地での呼び込みができないため、ブース前で「耳」で来場者の足を止めることができません。
キャッチコピーは「目」を捉えるものに限られて来ることにも、注意が必要です。

それぞれの理由と具体的な対策について、分かりやすく解説していきましょう。

4-1.リアル展示会では目的意識のない来場者が多い

2-1.成功する展示会テーマ:STEP1 目的を絞り込むでもお伝えしましたが、リアル展示会の来場者のうち、抱えている悩みや問題について、解決の糸口を求めてやってくる人は、全来場者の1割程度しかいません。

「金曜日だし、得意先を回った後に見ていくか」
「上司から勉強して来るように言われた」

実際に、上記のような理由で展示会を訪れた経験のある方も多いでしょう。

目的意識のないリアル展示会では、「新商材や自社の認知宣伝」という、不特定多数に向けた出展目的でも、一定の成果を果たすことができます。

しかしその一方で「見込み客の獲得」という目的においては、来場者の母数ほどの成果は出ないものだと意識しておいた方が良いでしょう。

そのため、「目標値」についても、展示会開催者が公表している過去実績のうち、1割程度をアプローチできる最大母数とし、そこから商材の汎用性や普遍性、または専門性などを切り口にして設定していくことが望ましいです。

4-2.オンライン展示会では目的意識がある来場者が多い

オンライン展示会は、リアル展示会と異なり、「ついで」の来場者の割合が少ないことが特徴です。

会社や自宅にいながらアクセスできることから、「勉強のために」と権限のない若手社員が訪れることが簡単な一方、導入や購買に権限を持つ役職者も訪れやすいのです。

自社の解決すべき課題が明確にあったり、悩みや問題がどこにあるかを把握したりしている人物が、わざわざオンライン展示会の自社ブースを訪れる割合が高いため、具体的な話に進みやすいと言えます。
また、より高次元での問題解決を求めていることも多く、アップセルやクロスセルなどの可能性が広がるケースもあるのです。

人員を割いたり物品としてのノベルティを用意する必要性がないことから、費用を安く抑えられるため、「目標値」の設定でもリアル展示会よりも高いコストパフォーマンスが狙えます。

5.今さら聞けないオンライン展示会とリアル展示会の違い

リアル(オフライン)展示会とオンライン展示会について、知っておくべき基本的な事項を整理してお伝えします。

5-1.オンライン展示会とは

オンライン展示会とは、Web上で開催される展示会のことです。
Web上のバーチャル空間(仮想空間)で行うことから、時に「Web展示会」や「バーチャル展示会」と呼ばれることもあります。

リアル展示会と異なり場所に制限がないことから、地方や海外といった遠方からの集客も可能です。

オンライン展示会では、以下のようなことができます。

画像・映像による製品訴求
3DCGやVRを使い、製品デモやプレゼンテーション用の映像を設置して、商材の訴求をすることができます。
通常の写真と異なり、さまざまな角度から見ることのできるCG画像や映像、バーチャル体験によって、商材の特徴や使用感についてより具体的なイメージを伝えます。

講演会・セミナーの配信
集客の大きな要素となる講演やセミナーをWeb上で配信することができます。ライブ配信のほか、期間限定でアーカイブ配信の視聴も設定することができるため、来場者の啓蒙や認知拡大に使うことも可能です。

営業資料の配布
デジタルカタログやPDFをダウンロードできるようにすることで、商材に興味を持った参加者が、より詳細な資料を手に入れることができます。

チャットでのオンライン商談
テキストチャットやビデオチャット機能を使うことで、参加者と展示者同士がリアルタイムで商談することも可能です。

5-2.オンライン展示会のメリットとデメリット

オンライン展示会のメリットとデメリットとして、主に以下のことが挙げられます。

オンライン展示会のメリットとデメリット

メリット

デメリット

・参加者のデータ取得や分析が可能
・出展費用が安く抑えられる
・時間や場所の制約を受けない
・天候や災害の影響を受けにくい

・サイト構築やシステム整備に手間と時間が掛かる
・呼び込みができない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

5-2-1.オンライン展示会のメリット

オンライン展示会は、「データでやり取り」をすることから、さまざまなメリットがあります。 

参加者のデータ取得や分析が可能
参加者の詳細なデータを効率的に取得することができます。
年代や性別などのデータを自動で取得できるだけでなく、他のツールと連携して、管理や分析なども容易になります。
講演やセミナー動画についても、視聴回数だけでなく、途中で視聴をやめた場合の参加者のデータや、どこで視聴をやめたかといった情報も取得することができるため、具体的な改善につなげることができます。

参加者アンケートをWeb上で実施することで、展示会開催後の集計の手間も省けます。

出展費用が安く抑えられる
オンライン展示会は、会場の使用料やブースの装飾費用が掛かりません。
ブース設営にかかるデザイン費や会場に配置する人件費、配布するチラシやパンフレットなどの印刷料も不要となります。

オンライン展示会の場合も出展料(小間使用料)は必要となる場合はありますが、トータルの出展費用としてはリアル展示会よりも少額に抑えられることが多いです。

時間や場所の制約を受けない
オンライン展示会は時間や場所の制約がないため、いつでもどこからでも参加することができます。
そのため、遠方や海外の企業の方や、出張中という方でも参加が可能です。

また、Web上で行うため、講演会やセミナーの人数制限をする必要がありません。

天候や災害の影響を受けにくい
天候の影響を受けることがありません。雨天や嵐などで来場者やスタッフの足元が悪くなることを心配する必要がないのです。
会場が天災や火事などによって使用できなくなるということもほぼないため、災害の影響も受けにくいといえます。

5-2-2.オンライン展示会のデメリット

オンライン展示会のデメリットは、最初の導入にかかる手間と呼び込みができないことと言えます。

サイト構築やシステム整備に手間と時間が掛かる
初めてオンライン展示会を行う際には、サイトを一から構築する必要があります。動画コンテンツなどが既存で揃っていない場合は、一から制作する必要がありますし、制作ノウハウがない場合は、相応の手間と時間、コストがかかります。

呼び込みができない
ブース前での呼び込みができないため、こちらからの積極的なアプローチができません。待ち姿勢の営業スタイルになってしまうため、より「目」をひくキャッチコピーの作成が必要になってきます。

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6.まとめ

今回は、展示会に出展する際に決めるべきテーマの正しい設定方法についてお伝えしました。

「成功する」展示会テーマの正しい設定手順は、以下の通りです。

 

テーマをキャッチコピーに落とし込む際は、以下の2つを作成します。

展示会テーマをキャッチコピーにする

「目」をキャッチするコピー

「耳」をキャッチするコピー

顧客の問題と解決策をセットにして見せる

顧客の業務上の悩みをそのまま使う

キャッチコピーを具体的に作成する際の注意点は、以下の通りです。

キャッチコピー作成上の注意点

・専門用語を盛り込みすぎないこと
・カタカナを盛り込みすぎないこと
・だれが読んでも句読点のリズムが一致すること

この記事が、展示会テーマの設定で悩むあなたの指針となり、あなたの展示会を成功に導くお手伝いができますように。

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