
「受付業務に追われて、本来やるべき仕事が進まない」
「来客対応のせいで残業が増えて、働き方改革どころではない」
近年、人手不足が深刻化するなかで、受付業務の負担は大きな課題となっています。
受付業務に多くの時間を割かれることは、企業の生産性低下や従業員の働き方改革の阻害要因となりかねません。
本記事では、受付業務を効率化するための具体的な方法と、実際に導入に成功した企業の事例を詳しく解説します。
【この記事を読むと得られるメリット】 |
これから受付業務の効率化に取り組みたいとお考えの方は、ぜひ本記事の情報をお役立てください。
目次
1. 受付業務をテクノロジーで効率化する企業が増加している
近年、多くの企業が受付業務にテクノロジーを導入し、効率化や無人化を進めています。まずはその背景から確認していきましょう。
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1-1. 人手不足と働き方改革がテクノロジー導入を加速
近年、深刻化する人手不足と働き方改革の推進が、受付業務のテクノロジー導入を後押ししています。
とくに中小企業では、限られた人員で多様な業務をこなす必要があります。受付業務の効率化は、急務となっています。
【導入加速の背景要因】 ・働き方改革への対応:長時間労働の是正が求められるなか、受付対応による残業時間の増加は大きな負担となります。 ・非対面対応の常態化:コロナ禍を経て、非対面・非接触での業務対応が一般的になりました。 |
このように、企業の生産性向上と従業員の働きやすさを両立させる手段として、受付業務の効率化が注目されているのです。
1-2. 中小企業でも導入しやすい低コストシステムが普及
従来は大企業向けの高額なシステムが中心でしたが、近年は中小企業でも導入しやすい低コストなクラウド型受付システムが数多く登場し、規模を問わず受付業務の効率化が可能になりました。
【中小企業でも扱いやすいシステムの特徴】 ・シンプルな操作性:iPadなどの汎用タブレットにアプリをインストールするだけで運用開始できるシステムが多く、特別な技術知識は不要です。 ・段階的な機能拡張:基本的な受付機能から開始し、必要に応じて会議室予約システムとの連携や入退室管理機能を追加できます。 |
IT導入補助金などの公的支援制度も充実しています。
たとえばソフトウェア購入費や2年分のクラウド利用料の2分の1(最大150万円)の補助を受けられる場合があります。これらの支援制度を活用すれば、さらに低コストでの導入が可能です。
1-3. 受付業務の効率化により担当者の負担軽減とコスト削減が実現
従来の有人受付では、来訪者への対応から担当者への取り次ぎまで、多くの手間と時間を要していました。
受付業務のデジタル化は、担当者の業務負担を大幅に軽減します。
【効率化により実現される具体的な効果】 ・人件費を削減できる:受付専任スタッフを配置していた企業では、システム導入により常駐人員を減らせるケースが多くあります。 ・本来業務へ集中できる:受付対応に追われていた総務などの担当者が、企画業務や社内制度整備などの付加価値の高い業務に時間を充てられるようになります。 |
続いて以下では、どのような企業が受付業務の効率化に取り組むべきなのか、見ていきましょう。
2. 受付業務を効率化すべき企業の特徴
自社の受付業務を効率化すべきか判断するには、どのような企業に効果があるかを理解することが重要です。
効率化によるメリットが大きい企業の特徴として、以下5つのポイントが挙げられます。
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2-1. 受付が必要なBtoCサービスを提供している
個人顧客を対象とするBtoCサービスを提供している企業では、受付業務が顧客満足度に直結するため、効率化による効果がとくに大きくなります。
【BtoCサービス企業での効率化効果】 ・多言語対応の実現:外国人顧客が多い業種では、AIアバター受付による多言語対応が威力を発揮します。 ・感染症対策の強化:医療機関や介護施設では、非接触での受付手続きが感染リスクの軽減につながります。 |
BtoCサービス企業にとって受付の効率化は、サービス品質の向上につながる重要な要素といえます。
2-2. オフィスへの来客数が1日10組を超える
取引先やクライアントなど、オフィスへの来客数が多い場合、受付業務の効率化による費用対効果が高くなります。
【来客数が多い企業での効率化効果】 ・担当者呼び出しの効率化:従業員数が多いほど、来客の取り次ぎ先を探すのに時間がかかります。 ・来客データの活用:来客数が多い企業ほど、蓄積されるデータから有用な分析結果を得られます。 |
中小企業であれば受付専任スタッフがおらず、決まったメンバーが善意で受付対応を行なっているケースも多いでしょう。
このような業務負荷の偏りをなくすことも、効率化の意義といえます。
2-3. 受付とオフィスが離れており取次に時間がかかる
工場とオフィスが併設されているケースなど、物理的なレイアウトの問題で受付対応に時間がかかっている企業では、システム導入による改善効果がとくに顕著に現れます。
【レイアウト課題の解決策】 ・ビデオ通話機能の導入:受付端末とオフィス内をビデオ通話でつなぎ、離れた場所からでも来客との直接対話が可能です。 ・自動案内システムの構築:来訪者が迷わずに目的地にたどり着けるよう、受付システムと連動したデジタルサイネージによる案内表示を設置します。 |
従来は受付係が来客を案内していた企業でも、システム化により無人での案内を実現できます。
オフィス設計上の制約を技術で解決できるため、レイアウト変更よりも低コストで課題解決が可能です。
2-4. 紙やExcelで来客管理を行っている
アナログな方法で来客管理を行っている企業では、デジタル化による効率化効果をわかりやすく実感できます。
【アナログ管理からの脱却効果】 ・検索性の向上:過去の来客履歴をすぐ検索できるため、リピート顧客の把握や営業フォローを効率化できます。 ・セキュリティの強化:紙の台帳では個人情報の管理が難しく、紛失や盗難のリスクがありました。 |
このように、手作業による非効率な業務をデジタル化すれば、大幅な時間短縮と精度向上を実現できます。
2-5. 受付業務で本来の業務が頻繁に中断される
受付対応によりほかの業務が中断される問題を抱える企業では、早期に効率化を検討しなければなりません。
とくに少人数で多様な業務を担当する中小企業において、この課題は深刻です。
【業務中断の問題を解決できる例】 ・優先度別の対応システム:来客の緊急度に応じて通知方法を変える機能により、柔軟に対応することも可能です。 ・在宅勤務との両立:リモートワーク中でも来客通知を受け取れるシステムにより、出社せずとも適切な受付対応が可能です。 |
業務中断による生産性低下は、見た目の時間以上に大きな損失をもたらします。
受付システムの導入により、従業員が本来の能力を十分に発揮できる環境を整備すれば、企業全体のパフォーマンス向上が期待できます。
3. 受付業務効率化の5つの具体的な方法
受付業務の効率化にはさまざまなアプローチがありますが、とくに効果的な5つの方法について詳しく解説します。
それぞれの特徴を理解し、自社の状況に最適な組み合わせを検討すれば、大きな改善効果を期待できます。
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3-1. AIアバターによる受付対応
AIアバターを活用した受付システムは、モニター画面上の仮想キャラクターが来訪者を出迎え、受付対応を行う最新の技術です。
遠隔地のオペレーター(受付担当のスタッフ)が操作する場合と、AI による自動対話で案内をする場合があります。
【AIアバター受付の特徴】 ・24時間365日の対応を実現できる:人間のオペレーターが不在でも、AIによって自動稼働できます。 ・多言語で対応できる:外国人来訪者に対して、英語・中国語・韓国語などさまざまな言語で対応できます。 |
アバターは、コンビニ・医療機関・モバイルショップなど、さまざまな業態で普及が進んでいます。
たとえば、以下はローソンでの導入例です。
出典:AVITA「アバター活用で誰もが活躍できる人にやさしいコンビニの実現に向けて、ローソンで『AVACOM』を導入」
導入費用はシステムの規模やアバターの独自開発の有無などにより異なりますが、月額利用料制のサービスが多く、前出のIT導入補助金の対象となるケースもあります。
具体的なソリューションとしては、「WONDERGIRL powered by AVITA」が挙げられます。
AVITA提供の「AVACOM」を活用した、生成AIによる自動応対と、オペレーター(人)による応対の切り替えが可能な、次世代型のAI接客アバターサービスです。
「WONDERGIRL powered by AVITA」はアバターと人のハイブリッド対応が可能で、さまざまなスタイルのアバター接客に応用できます。
人が複数拠点を遠隔対応できる点は、当サービスならではの特徴となります。
詳しくは以下のリンクよりお問い合わせください。
3-2. クラウド来客管理システムの導入
クラウドベースの来客管理システムは、受付から退館まで一連の来訪者情報を統合管理し、社内での情報共有をリアルタイムで行える仕組みです。
【クラウド来客管理システムの機能の例】 ・他システムとの連携:社内の会議室予約システムや勤怠管理システムと連携させれば、来客に合わせた会議室の自動確保や、担当者の在席確認を自動化できます。 ・データ分析機能:蓄積された来客データから、訪問パターンの分析や顧客傾向の把握が可能です。 |
複数拠点を展開する企業では、全拠点の来客情報を統合管理することも可能です。
具体的なツールとしては、「RECEPTIONIST」や「ACALL」が挙げられます。
3-3. タブレットを活用した無人受付
タブレット端末を受付カウンターに設置し、来訪者に直接操作してもらう無人受付システムは、導入の手軽さと費用対効果の高さから、最も普及している受付効率化手法のひとつです。
【タブレット受付システムの特徴】 ・直感的な操作画面:来訪者は画面の案内に沿ってタッチするだけで、訪問先の入力から担当者への通知まで、一連の手続きをスムーズに行えます。 ・スモールスタート対応:月額5,000円程度からの料金プランが用意されています。 |
先ほどクラウド型来客管理システムを紹介しましたが、多くのクラウド型システムがタブレット受付機能を提供しています。
3-4. QRコードによる自動チェックイン
QRコードを活用したチェックインシステムは、事前に発行したQRコードを使って、認証とチェックイン手続きを完了させる仕組みです。
【QRコードチェックインの特徴】 ・セキュリティ強化:QRコードは、事前登録した人のみが有効なコードとなります。 ・非接触対応:コロナ禍以降ニーズが高まった非接触対応を、QRコード読み取りにより実現できます。 |
QRコードによるチェックインは、ネットカフェのようなサービスでも導入されています。
たとえば、「自遊空間」のセルフ店舗では、伝票のQRコードをかざすとゲートが開いて入場できる仕組みです(出典:自遊空間「セルフ店舗のご利用方法」)。
3-5. チャットツールを介した担当者への通知
従来の内線電話に代わり、社内で使用しているビジネスチャットツール(Slack、Microsoft Teams、Chatwork、LINE WORKSなど)と連携した来客通知は、受付対応の効率化の鍵ともいえます。
【チャット連携通知の利点】 ・音を出さずに通知できる:従来の内線電話による呼び出しと異なり、チャット通知は音を出さずに連絡できます。 ・複数手段でのフォローアップも可能:チャット通知を見落とした場合の保険として、自動音声通話やメール送信に自動で切り替える機能を持つシステムもあります。 |
前述の来客管理システムの多くは、主要なビジネスチャットツールとの連携に対応しています。
自社で使用中のチャットツールとの互換性を事前に確認しておくと、スムーズな導入につながります。
4. 受付業務を効率化した実践事例
続いて、実際に受付効率化を実践した企業の事例を見ていきましょう。
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4-1. 近畿大学病院のアバター受付実証実験
近畿大学病院では、アバター活用による受付省人化の実証実験を実施しています。
画面上のアバターをオペレーター(遠隔の職員)が操作し、来院者対応を行う仕組みです。
出典:AVITA「近畿大学病院でアバター活用による受付省人化の実証実験を実施」
【実証実験のねらい】 ・多言語対応と柔軟な応対:来院者がマイクに話しかけると、画面上のアバターがすぐに応対します。 ・患者に寄り添ったサービス提供:アバターは、ときに対面よりも話しかけやすい場合があります。 ・医療DX推進への展開:同病院では、大学病院初の受付無人化を目指しています。 |
病院のように多言語でスピーディーな対応が求められる受付では、効率化のみならずサービスの質そのものを向上させる力が、AIアバター受付にあるといえるでしょう。
出典:AVITA「近畿大学病院でアバター活用による受付省人化の実証実験を実施」
4-2. 医療法人社団侑久拓未会の歯科医院アバター受付
医療法人社団侑久拓未会は、傘下の「栗山歯科」および「芦屋ラポルテ歯の予防クリニック」の2拠点に、アバター接客サービスを導入しました。
出典:AVITA「歯科医院で『AVACOM』を活用したアバター受付業務を2拠点で導入。非接触の受付サービスの提供と人材不足解消を実現!」
【導入の背景と効果】 ・2拠点の受付を一元的に対応:現在、2拠点で1日あたり20〜30人の受付業務をアバターで対応しています。 ・今後の展望:今後は、受付だけでなく治療チェアの横にアバターを設置したり、既存のマイナンバーカード読み取り端末と連携させたりするなど、さらなる活用の拡大を計画しています。 |
院内に温かい雰囲気が生まれていることは、単なる無人化では得られない、アバターならではの特筆すべき価値といえるでしょう。
出典:AVITA「歯科医院で『AVACOM』を活用したアバター受付業務を2拠点で導入。非接触の受付サービスの提供と人材不足解消を実現!」
4-3. 日産自動車のクラウド受付システム導入
日産自動車株式会社では、グローバル本社を含む国内5拠点でクラウド型受付システムと会議室予約管理システムを導入しています。
受付に設置したiPadで来訪者がQRコードをかざし、担当者への通知は社内チャットで自動送信される仕組みで、内線取次や紙台帳を廃止しました。
【導入による具体的な効果】 ・会議室管理の効率化:空き状況の可視化で無駄予約が減り、生産性が向上しています。 ・ペーパーレス化の推進:紙台帳廃止でペーパーレスにも寄与し、環境負荷軽減と情報管理の効率化を同時に達成しています。 ・従業員満足度の向上:従業員からも入館手続きの簡便さやリマインドメール機能が好評です。 |
これまで対応に時間がかかるうえに、来訪者への案内品質にばらつきが生じていた課題が解決された好例です。
業務効率や来訪者利便性の大幅な改善を実現しています。
全拠点でのシステム統一により運用の標準化と効率化が同時に達成されています。
出典:RECEPTIONIST「クラウド受付システム「RECEPTIONIST」を日産自動車が導入」
5. これから受付を効率化するならAI接客アバターがおすすめ
「これから受付業務の効率化に取り組んでいきたい」という方には、前出のAI接客アバター「WONDERGIRL powered by AVITA」をおすすめします。
さまざまな受付スタイルに適用させやすく、生成AIの発展とともに実用性が格段に向上しています。
【当サービスのAI接客アバターで実現できること】 ・AIと有人(人間のオペレーターによる遠隔操作)の切り替え ・少数のスタッフによる多拠点での稼働 ・100言語のリアルタイム翻訳機能 ・外部端末(チェックイン機、複数カメラなど)との連携 |
業務内容に合わせて独自カスタマイズをしたり、オリジナルアバターを開発したりすることも可能です。
詳しくは以下のリンクよりお問い合わせください。
6. まとめ
本記事では「受付業務の効率化」をテーマに解説しました。
要点をまとめておきましょう。
最初に、受付業務をテクノロジーで効率化する企業が増加している背景として、以下を解説しました。
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受付業務を効率化すべき企業の特徴は以下のとおりです。
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受付業務効率化の5つの具体的な方法を解説しました。
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受付業務を効率化した実践事例として、以下をご紹介しました。
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受付業務の効率化は、企業の「顔」である受付を通じて、顧客満足度向上と従業員の働き方改革を同時に推進する価値の高い投資です。
自社に最適な受付DXを実現し、競争力強化と業務効率化の成果をぜひ手にしてください。
#受付業務 #効率化
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